Micro Electro Mechanical SystemsMEMS)デバイスの開発を設計・試作・評価までバックアップします

外部の方への装置支援を開始しています.ご利用をお待ちしております.

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シリコンに刻み込んだ兵庫県立大学学章と毛髪


ごあいさつ
 かつて我が国では産業の米、と呼ばれた半導体集積回路を中心に、品質の良いものを大量に低価格で生産し、世界を列席した時代がありました。時代は変わり、現在では高品質、低価格という条件は必須の要件として世界中の生産拠点に浸透しており、もはやこれだけをもってリーダーシップをとることは不可能です。したがって、我々が今後の20年、50年を生きていくためには、高付加価値を持つ製品、自ら市場を開拓できる製品、環境に優しくサスティナブルな製品、など、独自の特徴を持った開発が必須となります。

 半導体集積回路の次の世代のテクノロジ(More than Mooreと呼ばれます)としてMEMSMicro Electro Mechanical Systems)技術が脚光を浴びています。この技術は、半導体集積回路技術をベースに、微小機械構造、センサやアクチュエータ、バイオ系システム、等々を実現しようとする技術で、分野としては微細加工、各種薄膜形成、電子回路との融合、などが含まれます。MEMS技術の特徴のひとつに、バッチプロセスがあります。バッチプロセスとは、写真蝕刻の技術を中心に、同一品を同時に大量に作製する技術で、極端には1つの部品を製造するのと同じ手間、費用で1万個の部品を製造することも可能です。MEMS技術を利用した製品の例として、加速度センサやジャイロ(角速度センサ)があります。従来は一品加工によって製造されていたこれらの製品は高価大型で、コンシューマ向けの製品への適用が不可能なものでした。ところがこれらがMEMS技術で作製できるようになり、小型化、低価格化、さらには高機能化が進んで、現在ではiPhoneやゲーム機の端末、乗用車などに大量に使われています。

 皆様が現在お持ちの仕事とMEMSは全く関係ない、とお考えの方も多いのではないかと思います。しかし、新しいアイデアを投入した機能デバイスを試作したい、製品を小型化したい(小型化には軽量化、低熱容量化、低エネルギー化など多くのメリットがあります)、生産の効率化や大幅な量産化をしたい、などの場合、MEMS技術がその解になることはおおいにあり得ることです。ご遠慮なく、ご相談ください。

 MEMS技術は敷居が高い、といわれることが良くあります。実際、MEMSデバイスを試作するためにはクリーンルームと高価な各種機材、そのうえノウハウなども必要となります。本センターは、ノウハウを含めこのような環境すべてを学内外の研究開発に提供するべく発足しました。研究用途として独自デバイスの試作が可能なほか、開発用途としては小規模生産にも対応できる、4インチのウエハラインを備えております。企業の方にとっての製品開発の最適な解として、本センターをご利用頂いて開発品やESの試作を行い、レシピを確定した上で、生産のめどが付きましたら国内外のファウンダリにそのレシピを提示し量産に入るというスタイルが適切であると考えます。

 まずは手を動かしてあるいは実物を手に持ってその技術の様子を実感する、これが新しい技術への最善の入り口であると考えます。今後、実習講座などの開催も視野に入れ、活動を進めたいと思います。


MEMSデバイス開発支援センター設立の背景
 2007年度〜2012年度において、兵庫県立大学書写工学キャンパスに於いて科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業、ERATO前中センシング融合プロジェクトが行われ、先進的な生体センシングMEMSデバイスについての研究が行われました。このプロジェクトでは、新しい材料、新しいMEMSプロセスに関する研究を含み、そのためにMEMS研究のインフラが整い、さまざまな技術、ノウハウが蓄積されました。本センターは、そのインフラおよびプロジェクトの成果を広く社会に還元しようと設立されたものです。現在、人的あるいは財政的な裏付けはなく、ボランティアベースに近い運用からスタートする予定ですが、利用の状況や社会の状況を見ながら有益なセンターとなるよう運営していく所存です。

maenaka
MEMSデバイス開発支援センター
センター長 前中 一介