第2回イノベイティブコンピューティングに関する調査研究会

講演会「分子計算とゆらぎ」


主催: 計測自動制御学会 システム・情報部門
共催: 情報通信研究機構(NiCT)
企画: イノベイティブコンピューティングに関する調査研究会

本講演会案内のPDFファイルはここからダウンロードして下さい

講演会概要

期 日: 2007年11月7日(水)  13:15〜17:45
会 場: 情報通信研究機構 未来ICT研究センター
     〔兵庫県神戸市西区岩岡町岩岡588-2 TEL (078) 969-2100〕
     JR山陽本線「西明石駅」よりタクシーで約15分,「大久保駅」よりバスで約10分
参加費: 無料,ただし資料代等として2,000円を予定しております(当日受付にてお支払い下さい)。
また,懇親会(申込〆切11/1午前中)の参加費用は3,500円となります。こちらについても、当日受付にてお支払い下さい。

問い合わせ先: 松井 伸之・礒川 悌次郎 (兵庫県立大学 大学院 工学研究科  電子情報工学部門),TEL/FAX (079)267-4993
          または ペパー フェルディナンド (情報通信研究機構 未来ICTセンター), TEL/FAX (078)367-8618
          E-mail: innovative(atmark)eng.u-hyogo.ac.jp (お手数ですが(atmark)を@に置き換えて下さい)

 革新的計算システムのための新しい「知」の創出を目的とし、自然法則(ブラウン運動や量子現象あるいは確率共振など)から 社会システム(複雑ネットワークによるモデリングなど)にわたる題材を取り上げて、これら異分野研究者間の活発な議論を引き起こし、 ナノ科学から社会科学までを融合した横断的研究を立ち上げる目的で、システム・情報部門の調査研究会 (イノベイティブコンピューティング調査研究会)を本年度(2007年4月)から設立いたしました。 第1回講演会「量子力学とシステム・情報・制御」を既に開催し盛況のうちに終了いたしました。 第2回の調査研究会の催しも多数のご参加をお待ちしております。



講演プログラム

13:15〜13:20: 開会の挨拶
松井伸之 (兵庫県立大学,計測自動制御学会 システム・情報部門 イノベイティブコンピューティング調査研究会主査)

13:20〜13:40: 情報通信研究機構 挨拶・未来ICTセンターの紹介
益子 信郎(未来ICTセンター長)


13:40〜14:40: 1.ゆらぎと生命機能
柳田敏雄 先生(大阪大学)

 生体は超省エネにできており、それを構成している分子機械は、入力されるエネルギーレベルが平均熱エネルギーと大差ない。 それ故、熱ノイズを完全に遮断して働くことはできない。そのメカニズムを探るために1分子ナノ計測法を開発し調べたところ、 分子機械はノイズを遮断するのではなくそれを巧く利用していることが解った。 また、ノイズを許容することで生じる確率的で曖昧な働きも生物特有の柔軟性や自律性にうまく活かしていることも解って来た。


14:40〜15:40: 2.集積回路に宿る生命――生体分子のリズムとかたちを模倣する――
雨宮好仁 先生(北海道大学)

 本講演では「生命ダイナミクスの一端を集積回路で模倣して新しい情報処理デバイスを創り出す」という研究についてお話しします。 「生きもの」が「もの」と違うところは、自ら時間的・空間的な秩序---分子集合体の自己組織化・成長・増殖などのダイナミクス---を 生み出していることにあります。この生命ダイナミクスは、反応拡散系という化学的な複雑系を舞台として生じていると考えられています。 この反応拡散系を集積回路で模倣することにより電子的な擬似生命体を創り出すことができるかもしれません。 ここでは「ナノ微細技術による単電子集積回路」を使って電子的な反応拡散系をつくろうとする試みを紹介します。


15:40〜16:00: 休憩


16:00〜17:00: 3.ゆらぎを活用したセンシングとコミュニケーション
Peter Davis 先生(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

 信号検出,量子化などのセンシング技術において、ゆらぎによって特性がよくなる現象とその条件について理論的に説明する。 また、共通ゆらぎによる同期現象とその信号伝達への応用に関する研究を紹介する。


17:00〜17:40: 4.ノイズ駆動コンピューティング・コミュニケーション
Ferdinand Peper 先生(NiCT)

ノイズ及びゆらぎに関連するランダム性は計算及び通信システムで強力な資源として使用することができる。 本講演では、状態空間での選択に従ってそのようなシステムを駆動するために、状態空間におけるランダム探索が活用しうる原理を論議する。 ここでは、この原理を、デッドロックを解決するためにそれらのシグナルのランダムな探索行動を利用するトークンベース回路の新しいクラスを用いて説明する。



17:40〜17:45: 閉会の辞
Ferdinand Peper(NiCT・調査研究会委員)

18:00〜20:00: 懇親会
(場所:情報通信研究機構 未来ICT研究センター)


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