中嶋 誠二Seiji Nakashima

准教授|博士(工学)

[mail] nakashima@eng.u-hyogo.ac.jp

電気電子情報工学科 電子情報工学コース
電子情報工学専攻 電子材料・デバイス研究グループ

半導体をはじめとする材料の電子物性、電子物性を利用した電子デバイス、またそれらを用いた電子回路に関する教育・研究を主に担当しています。電子デバイスは今後も必ず必要な素子で、皆さんが使っているスマホ、家電製品から車に至るまで、ありとあらゆる機器を構成しています。これほど大切な「電子」の振る舞いは、目に見えないことが難しい点です。講義ではこの目に見えない電子の振る舞いをいかにイメージするかを大事にし、電子デバイス、電子回路の動作を理解できるように心がけています。研究ではこの「電子」の新たな機能を引き出し、これまでにない電子デバイスを作り出すことを目指しています。

強誘電体を用いた新規太陽電池の創出

学べる内容・身に付くスキル

太陽電池の構成や動作原理、半導体プロセス(薄膜作製やパターニング)に加え、見えない電子の動きやエネルギー状態を明らかにする手法が学べます。

これまでの太陽電池とは異なる、発電メカニズムをもつ強誘電体を用いた太陽電離の研究を行っています。
強誘電体は光を照射するだけで発電する性質をお有しており、これまでに図1に示すように、852Vの高電圧発生に成功しています。
この発電機構はこれまでの太陽電池の理論限界であるショックレー・クワイザー限界(S-Q限界)を超える発電効率が期待されています。この研究を発展させることによって、これまでにない高効率太陽電池実現を目指します

AIや機械学習に適した脳型コンピューティングに最適な半導体の創出

学べる内容・身に付くスキル

半導体プロセス(薄膜作製やパターニング)技術に加え、目に見えない電子や原子を見るスキルが身に付きます。これにはSPring-8などの最先端施設を利用するので、極めて貴重な経験とスキルが身につけられます。

新たな機能を付加した半導体薄膜を作製し、その特性を解明します。そのために原子構造、電子構造をSPring-8等の最先端施設を用いて観察します。
半導体は不純物を添加することで自身の導電性を変化させることができますが、この研究では導電性をスイッチングできる半導体の創出を目指します。図2はBiFeO3という材料にMnを添加した際の原子像を可視化したもので、自分で作った材料の原子構造を実際に見ることができます。このように新たな材料の特性を詳しく調べることで、AIや機械学習に適した脳型コンピューティングに最適なデバイスの創出を目指します。