八重 真治Shinji Yae

教授|博士(工学)

[mail] yae@eng.u-hyogo.ac.jp

応用化学工学科 化学工学コース
化学工学専攻 表面エネルギー化学研究グループ

講義では、固体の表面・界面(固/液、固/気)に関わる「固体表面科学」や「電気化学」を担当しています。アクセサリーや電池、スマホから大きな橋や船、そして洗剤や排気ガス浄化触媒など様々なモノや現象との関りを説明しています。研究グループでは、「めっき」に関わる研究を70年!以上に渡って継続しています。今は、太陽電池やULSIに使われる半導体であるシリコンの表面処理や加工、めっき膜と水素(金属に微量含まれます)を主な研究対象としています。

金属ナノ粒子がシリコンに孔をあける

学べる内容・身に付くスキル

シリコン半導体のウェットプロセス(水溶液を用いる処理)による貴金属ナノ粒子の作製とエッチング、構造観察や反応解析を通じて、半導体の基礎と半導体の取り扱い、電子顕微鏡などの機器利用、電気化学測定などのスキルが身につきます。

金属粒子をつけた半導体を溶液に浸す、金属援用エッチングによるシリコンの微細加工に関する研究です。2種類の溶液に浸すだけで、貴金属ナノ粒子(小さいものは20万分の1㎜)をつけて(めっき)、その金属粒子をドリルの刃先のようにしてシリコンに微細な孔をあけること(エッチング)ができます。小さな孔が集まると表面が黒くなるので太陽電池のエネルギー変換効率のアップに、様々な形のきれいな孔を簡単に作製できるので生産性の高い微細加工に応用が期待できます。反応の仕組みを理解して高度にコントロールすることを目指しています。

廃棄物を利用した都市鉱山からの貴金属回収

学べる内容・身に付くスキル

上のテーマ1と同じく半導体や機器利用、電気化学測定に関するスキルとともに、溶液の分析技術を学べます。

廃棄される半導体材料を利用して都市鉱山から貴金属を回収するリサイクルの輪の確立を目指しています。古くなって不要となったスマホやパソコンなどの電子機器廃棄物は、天然の鉱石よりも高い濃度の貴金属を含んでおり、都市鉱山と呼ばれます。一方、電子機器に用いられる半導体デバイスの製造では大量のシリコン粉末が発生して廃棄されています。ウェットプロセスによる貴金属回収にシリコン粉末を活用することで、これまでよりも短時間で高効率な回収ができるようになりました。反応のコントロールによって貴金属を分別することを目指しています。