柿部 剛史Takeshi Kakibe

准教授|博士(工学)

[mail] kakibet@eng.u-hyogo.ac.jp

応用化学工学科 化学工学コース
化学工学専攻 高分子材料工学研究グループ

有機化学を担当していますが,理屈が理解できる様な授業を心がけています。無限に存在する化学反応において「なぜこのように反応するのか?」を丸暗記することは(少なくとも私には)困難です。授業や研究指導においても,「なぜか?」を基にした指導を心がけ,「面白い!」,「美しい!」と思える研究を目指しています.研究テーマは主にイオン液体という「液体の塩」を主軸に据えて,新しい二次電池の開発やバイオ素材の高機能化などに取り組んでいます。

バイオマス素材の機能性材料化

学べる内容・身に付くスキル

機能性バイオマス材料の合成を通じて,有機反応,高分子反応を学び,実際に合成できる人材を目指します。合成した材料を様々な装置を使って分析する分析化学の素養も得られます。

主に植物バイオマス(セルロースやリグニンなど)を主原料にした高機能性の材料の合成・評価を行なっています。近年問題となっている海洋プラスチックなどは,分解しにくい化石燃料由来のプラスチックを多用してきたことも問題の一端にあります。これらに替わる材料を植物などから合成することで,生分解性や環境に優しい材料を目指しています。さらに二酸化炭素を吸着するフィルム材料といった新たな機能性を持つ材料の開発を行なっています。写真は紙と同じ原料ですが,透明でとても強いフィルムです。

次世代二次電池の材料開発

学べる内容・身に付くスキル

現状の二次電池(主にリチウムイオン電池)に替わる次世代の二次電池の開発を通じて,素材の合成(有機化学・高分子科学)と電池としての評価(電気化学)を身につけた人材を目指します。

身の回りには充電できる電池(二次電池)がたくさんありますが,その代表格がリチウムイオン二次電池です。太陽光や風力といった自然エネルギーを安定に使うには一度溜める必要があり,今後ますます二次電池は重要になってきます。同じ重さ・大きさの電池でもたくさん貯めることが出来れば,軽くて小さな電池を作ることができ,自動車の電気化などにはとても重要です。こういった今ある二次電池を超える二次電池を作るための材料開発を写真のようなイオン液体(常温で液体の塩)を主軸に行なっています。