阿保 政義Masayoshi Abo

准教授|博士(工学)

[mail] abo@eng.u-hyogo.ac.jp

機械・材料工学科 機械工学コース
機械工学専攻 トライボロジー研究グループ

講義では,グラフで表現される現象を正しく理解していただき,自己の知り得た知見をグラフ化,図表化することの意味と工学における独創性,オリジナリティを創造する難しさを解説しています。研究では,実験に基づく製品の改良を重視した研究スタイルにし,常に計算結果と実験結果を比較し,実証の重要性と,失敗から学ぶ工学的なセンスを磨いています。

転がり軸受と軸受に使用する潤滑油による耐摩耗性の向上

学べる内容・身に付くスキル

軸受の設計では三次元CADを使用した応力解析から製品や部品設計の強度評価を学ぶことができます.潤滑油やグリースの添加剤の配合や基油の選択から新製品の精製方法とその評価方法を学ぶことができます。

風力発電や電気自動車,ドローンなどモータ駆動する回転部分を転がり軸受で支持しています.転がり軸受は電池の大容量化,長寿命化に伴い,大電流,高周波数で使用されるため,モータの漏れ電流の影響で玉と内外輪の間に放電を伴う電食が生じます.また,風車や自動車のアイドリングストップといった超低回転で使用されると,玉と内外輪の間に油膜形成できず,大きな損傷が起こります。これらの問題に対処するため,転がり軸受の構造を理解し,玉+内輪+外輪+保持器の形状を最適化する研究を行っています。

ねじのゆるみ止めとゆるみ止め剤の開発

学べる内容・身に付くスキル

技術者として重要な実験による強度や摩擦力評価,顕微鏡を用いた摩擦面の観察,表面分析,さらには摩擦を向上させる潤滑油やグリースの製作する技術を学ぶことができます。

ボルト・ナット締結対のゆるみ止め製品は多数ありますが,ボルトとナットの間にくさびを打ち込む変わった製品を研究しています.一方,ボルトのねじ部やボルト頭部の摩擦係数を増加させる摩擦向上剤の研究も行っています.これをゆるみ止め剤にすることで,今までロケットや自動車のエンジン周辺の振動環境下で緩みやすかったねじ固定部の信頼性を劇的に改善することができます。