乾 徳夫Norio Inui

教授|博士(情報科学)

[mail] inui@eng.u-hyogo.ac.jp

機械・材料工学科 材料コース
材料・放射光工学専攻 量子材料グループ

計算機を利用した教育を目指しています.材料の物理特性を理解するには,その基礎となる方程式を解き可視化することが重要です.プログラミングを含んだ実践的な演習で理解が深まるよう心掛けています。研究においては,古典物理では説明が困難な現象(量子効果)を科学技術へ応用することを目標に数値計算を行っています。

カシミール効果の工学利用

学べる内容・身に付くスキル

量子力学の基礎および様々な数値解析の手法が身に付きます。

カシミール効果とは帯電していない物体であっても接近させることで互いに引き合う力が自然と発生する現象のことで,古典物理では説明することはできません。この力の源泉はゼロ点振動と言われる量子力学的現象であり,空間のどこにでも存在しています.この力を利用すると微小な物体を動かしたり,化学反応を変化させたりすることができると期待されており,その工学的な応用を研究しています。

グラフェンに関するシミュレーション

学べる内容・身に付くスキル

グラフェンの優れた材料特性をシミュレーションを通じて理解できます。

グラフェンは炭素原子がハチの巣状に並んだ物質で,その厚みは原子1個分しかありませんが,優れた機械・電気的特性を有しており,その応用についてシミュレーションを用いて研究をしています。特に,グラフェンに磁石を近づけると反発する性質(反磁性)について調べています。この性質を利用するとグラフェンを空中に浮揚させることができます。また,時間変動する磁場を印加するとグラフェンを振動できるので,微小な電気機械システム(MEMS)への応用が期待されます。