講義では、まず「これを学ぶことによって何が得られるのか?」というゴール地点を明確にすること、また、単なる聴講でなく、穴埋め式のプリントで常に内容に集中する、実際に具体的な例題を解く、簡単な実験を見せる、等、飽きさせない工夫をします。研究では、ニュースバルやSPring-8の軟X線放射光を利用することで、様々な物質・デバイスのミクロな物性を探索します。
軟X線を使った測定・解析の手法に加え、大型施設における真空装置、各種メカ・ソフトなどに関する幅広い知識や技術を身に着けることができます。また、適用できる物質・材料の幅が広いため、様々な分野の研究者と交流でき、仕事に対する広い視野を持つことができます。
放射光を活用したX線顕微鏡、特に光電子顕微鏡を中心に用いて、様々な物質やデバイスの性質や機能を調べます。普通の顕微鏡で見えるのはモノの形状だけですが、X線顕微鏡では元素の分布、化学状態(価数など)、電気的性質、磁気秩序など電子が司る様々な性質をミクロに解析することができます。とても高分解能(数10 nm)で多機能な顕微鏡なので、磁気メモリ、半導体デバイス、電池材料、単原子物質(グラフェン等)、生体由来物質、有機物質、地球外物質(隕石等)、犯罪捜査(指紋、覚せい剤等)など、幅広い研究分野から引っ張りだこの分析ツールです。
現代の情報社会を支える最先端のナノ電子・磁気デバイス材料に触れ、自由なアイデアでそれらの開発に携わることができます。
1970年代に初めて開発された、ipadくらいの大きさのフロッピーディスクの記録容量は128 kBでした。今では1 TBのハードディスクドライブが普通のPCに搭載されています。また、次世代の通信インフラ Beyond 5Gでは、5Gの1~2桁を超える通信速度に加え、地球に優しい省電力の情報伝達システムの構築が求められています。これまでの常識を覆す新規のデバイス材料やデバイス構造は、研究者個人のちょっとしたアイデアや思いがけない副産物などから生まれることがあります。そんな最先端の研究・開発にあなたも参加してみませんか?