発表論文

最近の研究テーマ


■ 柔軟性な細孔を持つピラー化層状化合物の合成
Preparation of soft pillared layered materials
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多孔質炭素材料は電気二重層キャパシタの電極、吸着剤、触媒の担体などとしてもちいることが可能である。このようなな炭素材料としては活性炭が古くから知られているが最近では、メソポーラス炭素などより高度に細孔構造を制御した炭素が作られるようになっている。多孔質材料の合成法の1つにピラー化という手法が知られている。この手法は層状化合物の層間に酸化物等のピラー(支柱)を挿入することでピラーと層の間に細孔を作るもので、層状粘土鉱物等の多孔質化に用いられているものである。我々はこの手法を酸化黒鉛を出発物質として適用し、ピラー化炭素を得ることを試みている。


酸化黒鉛層間化合物を出発物質としたピラー化炭素の合成スキーム


■ ゾル-ゲル法を用いたフッ化物の合成
Preparation of fluorides using a sol-gel method
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電気陰性度が最大のフッ素は材料中に導入すると特異な機能が発現すると期待される。我々は、トリフルオロ酢酸をフッ素源としたゾル−ゲル法により、含フッ素化合物を合成し、リチウムイオン電池正極材料等に用いることを目指している。

■ 共有結合によるマガディアイトへの色素の固定化
Covalent attachment of dyes to silylated magadiite
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透明性の高いマガディアイト層間へ高濃度に色素を固定化するため、あらかじめアミノ基を固定化したシリル化マガディアイトを有機溶媒中に分散させ色素部を有する活性エステルと反応させることを試みている。有機溶媒中で層剥離を起こすことにより層表面に均一に色素が固定化できるものと期待できる。


マガディアイトへの色素の固定化


■ ペルフルオロアルキル基を含む層状化合物中における色素の発光特性
Photophysical properties of dye molecules in layered materials containing perfluoroalkyl groups
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近年、有機系色素分子を高分子や無機マトリックス中に固定化することにより発光特性やエネルギー移動特性を制御する試みが、盛んに行われており、最近ではローダミンにより修飾したデンドリマーからのレーザー発振、配向制御したメソポーラスシリカ中へ吸着された色素の一軸配向、層状化合物に吸着したポルフィリン分子間でのエネルギー移動等の注目すべき結果が得られている。一方、我々は疎水化された層状化合物に注目しており、イオン交換容量の大きな酸化黒鉛という層状化合物をホスト材料として用いると、層間へ色素分子を凝集させることなくしかも高濃度に導入できることを示してきた。このような材料中では色素の配向は疎水分子間の空間のサイズや性質で決まると考えられ、ホストの層状化合物と疎水分子の選択により制御が可能であると考えられる。 最近では、疎水化された層状化合物として、非常に高濃度のアルキルアミンを層間に取り込むことのできるバナジウムキセロゲルをホスト材料とすることにより、疎水分子間に生じる空間サイズをさらに制御し、導入される色素分子の配向をより高度に制御することを試みている。また、ペルフルオロアルキル鎖を層間に導入するとC-F結合がC-Hよりも振動数が小さいため無放射失活の減少が期待でき発光材料として期待される。


疎水化された層状化合物への色素分子導入と配向制御