【最終更新日2001.10.22】

粉体工学会

2001年度第2回 粉体操作に伴う諸現象に関する勉強会



 本勉強会は,通称「若手勉強会」と呼ばれており、粉体工学に係わる、「自称」若手(厳密な定義はありません)研究者が集まって、特に活躍されている若手研究者の方に1時間程度の講演をいただき、活発な討論をしております。
 本年度は、第2回「粉体操作に伴う諸現象に関する勉強会」を粉体工学会秋季大会のセッションの一つとして開催させていただくことになりました。開催日は秋季大会の参加募集要項にも掲載されていますように、11月7日です。また、今回は粉体工業展ともジョイントしており、7日の午前中は粉体工業展のツアーがくまれています。このツアーでは、数人のグループに分かれて工業展を見学していただく事にしています。使ったことのない機械や自分一人では見ることの無かったような機械に関してもグループで見学することによって異なった視点で機械を見ることができるようになるチャンスかと思います。なお、講演に関してはこれまで通りのスタイルを守っていきたいと考えております。
本勉強会では、研究の発展と若手研究者の交流を深めることを目的に、全くフランクに 且つ活発なディスカッションを行っており、できるだけ参加者にも研究紹介をしていただき、活発な討論を頂く予定でおります。

 お申し込み方法:郵便、FAX、E-mailにて、山本あるいは野村宛にご連絡下さい。
なお、参加人数の確定等の事務手続き上の事情もあります。今回は学会に参加していただいた方にはフリーで参加していただけるようになっております。この関係上当日の飛び入り参加も歓迎します。しかしながら、参加人数を把握しておきたいため、11月2日までに、参加希望の返答をいただければと思います。数多くの方のご参加を心よりお待ち申し上げております。

問い合わせ・申込先:岐阜薬科大学 薬学部 山本浩充
          〒502-8585 岐阜市三田洞東
          Tel.058-237-3931 Fax.058-237-6524
          E-mail: hiromitu@gifu-pu.ac.jp
     または  大阪府立大学大学院 化学工学分野 野村俊之
          〒599-8531 大阪府堺市学園町
          Tel.072-254-9300 Fax.072-254-9911
          E-mail: nomura@chemeng.osakafu-u.ac.jp

          − 記 −

日程:2001年11月7日(水)
   9:50集合(コスモスクエアー国際交流センター粉体工学会秋季大会B会場),
   17:00解散

場所:コスモスクエアー国際交流センター
   大阪府大阪市住之江区南港北1−7−50
   Tel. 06-6614-8711



プログラム


9:50 開会挨拶

10:00-12:00粉体工業展 見学ツアー

13:30-13:45 参加者自己紹介

13:45-14:45
「水溶液中の疎水性表面間に働く超長距離引力の発現機構」
産業技術総合研究所 環境調和技術研究部門 石田 尚之氏

 粉体微粒子を水中に懸濁させた微粒子分散系は、様々な工業製品の原料として広く用いられている。この微粒子の水中での分散・凝集挙動を知るうえで、それを決定づける粒子表面間力を理解することは重要である。疎水性引力は、水溶液中の疎水性表面間に超長距離から強い引力が作用する現象であり、分散系の挙動に大きな影響を及ぼす。しかし、その発現メカニズムは全く不明であり、コロイド化学における神秘的な「謎」として、多くの研究者を魅了し、議論の対象となってきた。ここでは、原子間力顕微鏡を用いた表面間力測定により、疎水性引力の特徴や支配要因と疎水性表面の構造・状態との関連を明らかにし、発現メカニズムについて検討した結果を報告する。

14:45-15:00 休憩

15:00-16:00
「乳糖を基剤とした噴霧乾燥複合粒子の設計とその製剤学的応用に関する研究」
山之内製薬(株) 創剤研究所 保地毅彦氏

新規医薬品開発の後期ステージにある「製剤」の研究開発の効率化が重要視される今日では、賦形剤等の製剤素材の開発・選択が重要であり、新たな製剤素材の開発が21世紀の医薬品開発の発展に大きな役割を担っている。しかしながら、新規に化学的手法で開発した製剤素材が行政当局の承認を得るには、医薬品開発と同等の費用と年月が必要であり、既存の製剤素材を組み合わせた粒子設計法に期待が寄せられている。本研究では、直接打錠能と薬物徐放化能を併せ持つ新規機能性粒子の開発を目的として、固形製剤で最も汎用されている乳糖とゲル形成機能を有した水溶性高分子からなる複合粒子の設計を行った。複合粒子の圧縮性成形性及びその支配因子と考えられる乳糖の結晶性に着目し、熱力学的に安定な多機能型複合粒子の開発に取り組んだ。更に調製した複合粒子のマトリックス基剤や有核錠外層基剤としての有用性を示した。

16:00-17:00
「DEMシミュレーションの現状と課題」
東京農工大 生物応用システム科学研究科 野田 怜治氏

 流動層内の流れ場や粒子の挙動を把握し、これに基づいて装置特性を理解することは、装置設計上極めて有益である。本報では、離散要素法(DEM)を中心に、流動層の数値シミュレーション方法について鳥瞰し、その現状と課題について考える。

17:00 閉会挨拶

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