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兵庫県立大学 工学部・大学院工学研究科
ヘッドラインニュース <公開日:H21.03.02>

低コスト高効率 新型太陽電池のシステム開発

 工学研究科の伊藤省吾准教授は、独自の研究によりコストを三分の一に引き下げることも可能な新型太陽電池システムを開発しました。本研究成果は、英国科学雑誌「ネーチャー・フォトニクス」(2008年11月号)に論文が掲載されました。

 本研究開発の概要は次の通りです。

  1. 研究開発の要旨
     太陽電池は光エネルギーを電気エネルギーに変換する半導体の一種で、素材によって「シリコン系」と「化合物系・そのほか」に大別され、現在は「シリコン系」が主流です。
     伊藤准教授が研究したのは、「化合物系・そのほか」に分類され、次世代の太陽電池とも呼ばれる色素増感型太陽電池です。この太陽電池は、酸化チタンと色素(ヨウ素)を使用し、色素が吸収した光を電子として放出させ電気を発生させるもので、「シリコン系」よりも材料費や制作費が安価で製造が簡単です。
     従来の太陽電池は、表面に当たる一方向からの光で発電する方式ですが、伊藤准教授は裏面にも光を当てる「両面受光型」を開発し、光に反応した電子が移動する電極間の距離を制御することにより,表裏両面で同程度の発電量をもつ太陽電池を世界で初めて開発しました。
     
  2. この研究開発による科学的成果
     開発された太陽電池は、表裏両面で発電可能であることから、光を受ける面を東西に向ければ、朝日と夕日の両方が利用可能であり、効率よく太陽光を収集する発電システムができます。
     シリコン系の太陽電池に比べると約三分の一程度の費用で済むため、今後、発電効率と耐久性を高めれば、住宅用の太陽電池として実用化することが期待され、石油に代わるクリーンなエネルギーとして、二酸化炭素削減にも大きく貢献できるものと考えられます。