ある日の材料強度学講座.学部4年生のAくんが親友Nくんに話しかける.

A: 「なぁ,ちょっと教えてくれへん?」

N: 「何?」

A: 「あんな,疲労試験したやんかぁ.データが一通り揃ったんやけど,それからどうしたらええかわからへんねん.」

N: 「それは,S-N曲線求めて,疲労限度出すのが基本ちゃうん?」

A: 「何,それ?」

N: 「ホンマ頼むでぇ,ちょっと説明したるわ.」

A: 「助かるわ.」

N: 「よっしゃ.まず,疲労試験でどんなデータが揃ったん?」

A: 「え〜となぁ,疲労試験での繰り返し応力(S)とその時の破断までの繰り返し数(N)のふたつやよ.」

N: 「そやな.そんなら,横軸に繰り返し数,縦軸に繰り返し応力をプロットしてみてよ.この時,横軸の繰り返し数は対数プロットにせなあかんで.」

A: 「わかった.片対数プロットっちゅうやつやな.(サラサラと作業中)・・・,こんなんでええの?」

N: 「おぉ,これでええで.きれいな結果やなぁ.これをS-N曲線と言うんや.」

A: 「おぉ,なんか難しそうな名前やな.けど,このデータ出すのには苦労したで.ところでなぁ,この結果見ると,繰り返し応力が低くなると繰り返し数は上がっていくみたいやけど,ある繰り返し数以上試験しても破断しない応力があるみたいやな.」

N: 「ええとこに気がついたな.今Aが言うたように,応力と繰り返し数の関係が横ばいになるよね.このサイクルを無限に繰り返しても破断しない応力を疲労限度(Fatigue limit)と言うんや.」

A: 「かっこええ響きやな.S-N曲線疲労限度か.今日はふたつのことを勉強したで.ホンマありがとう.」

N: 「そうか,それはよかったな.あ,もうこんな時間や.そろそろ失礼するで.」

A: 「もう帰るん?なんかあるんか?」

N: 「(満面の笑みで)あぁ,キャンプや!!」

 

 終〜この物語はフィクションですが,Nくんの趣味はキャンプです