実習内容って?

参加した学習内容

実習一日目

実習4 軟X線多層膜偏光素子による偏光測定(天野)

実習6 X線”レンズ”を使った偏光とその評価(下村、舟岡)

実習9 ストリークカメラで観る電子ビームの横顔(久保田)


実習二日目

実習4 軟X線多層膜偏光素子による偏光測定(久保田、下村、舟岡)

実習10 レーザーコンプトンガンマ線の発生と応用(天野)


内容詳細

 実習では、3〜4人のグループに分かれて、学部生や院生の方々とともに最先端の研究を行っている研究者の指導のもとで、各々のビームライン(BL)で装置の操作や測定などを行いました。実際にSPring-8やニュースバルにある装置に触れられ、他の大学の方々との交流もあり、貴重な経験ができる場でした。高度な実習内容も多く含まれており、今後の研究や将来何らかの形で役に立てられるようにがんばったつもりです。

実習一日目


実習4 天野

この実習はSPring-8のBL17SUで行いました。内容はいろいろな条件下で、軟?]線多層膜素子を使った偏光測定を行い、実験ステーションにどんな光が実際に来ているかを調べるという実習を行いました。実習風景は、二日目を参照。

実習6 下村、舟岡

実習6はSpring-8の中にあるBL24XUというビームラインで行いました。このビームラインは兵庫県が管理するビームラインで、主に産業利用に特化しており、タンパク結晶構造解析、材料評価等の様々な実験に利用されています。光源には8の字アンジュレーターを用いているため、垂直、水平偏光のX線を硬X線領域において使い分けることが可能です。また、2つのダイヤモンド結晶分光器をトロイカ方式で適用いるため、3つの実験ス テーションで異なる実験を同時に行うことが可能です。そのうちのハッチC1では数百nmのマイクロビームを用いた蛍光分析、回折実験が可能であり、C2ではサイズ1ミクロンの高平行マイクロビームを用いた高分解回折実験が 可能です。今回はそのハッチCを用いてX線“レンズ”を使った集光とその評価という実習を行いました。下の図はBL24XUのビームラインの一部です。



実習9 久保田

実習9はSpring-8の中にあるBL38B2を用いて実習を行いました。放射光のX線成分の利用が主目的であるSPring-8のような施設では放射光輸送系の都合上、エネルギーの低い可視光や赤外光が取り出されることは一部の例外を除いてなく、BL38B2はその例外のうちの1つです。BL38B2では、偏向電磁石を光源とするビームラインで、蓄積リング内を周回する電子ビームの空間、時間分布等の物理的状態の診断や、加速器を構成する機器の試験開発を行うことを目的としています。BL38B2では、放射光の輸送系の口径が他のビームラインに比べて非常に大きくとってあり、またBe窓などの真空的な仕切りが途中に設置されていないため、可視光からX線までの幅広い光を利用することができます。実習では他のビームラインではできない、放射光(可視光)を目で見る、手をかざしてみる、という目的で行いました。他に、光源電子ビームのバンチ長を測定するために光子計数装置、ストリークカメラを用いた電子ビームの時間構造測定を行いました。この実習によって、蓄積リング内の電子ビームは、リング内に電子がばら撒かれているわけではなく、ある適当な間隔で、塊になってリング内を周回していることがわかった。

実習二日目


実習4 久保田、下村、舟岡

強く偏光している光という放射光の特徴を生かした多様なX線領域の実験に対応するために、放射光施設では、いろいろな偏光状態の光が出せる特殊なアンジュレータ(光源)を使用している。しかし、光源で完全な偏光状態の光を発生させても、実験ステーションに到達するまでの間にあるスリットや光学系により微妙に偏光状態は変 化する。実習4では、ビームライン17を用い、いろいろな条件下で、軟?]線多層膜素子を使った偏光測定を行い、実験ステーションにどんな光が実際に来ているかを調べることを行った。

左上の写真:Spring-8の実験ホール内では、自転車を使ってホール内を移動することもできます。

右上の写真:実習4で用いた装置の写真です。この装置を用いて偏光測定を行いました。

左下の写真:実習中の様子です。このようにみんなで協力しながら楽しく実習を行いました。

右下の写真:実験終了後に記念写真を撮りました。なかなか大変な実験でしたが、有意義な実験に なったと思いました。




実習10 天野

この実習はニュースバルのBL1Aを用いて実習を行いました。このBLでは新光源開発用として、ガンマ線の発生および応用実験をおこなっています。この実習では、実際にニュースバル装置とレーザー装置を作動しガンマ線を発生させ、応用の一つであるイメージング技術を体験し、各人それぞれのサンプル(主に金属)を評価を行いました。