多孔質炭素材料は電気二重層キャパシタの電極、吸着剤、触媒の担体などとしてもちいることが可能である。このようなな炭素材料としては活性炭が古くから知られているが最近では、メソポーラス炭素などより高度に細孔構造を制御した炭素が作られるようになっている。多孔質材料の合成法の1つにピラー化という手法が知られている。この手法は層状化合物の層間に酸化物等のピラー(支柱)を挿入することでピラーと層の間に細孔を作るもので、層状粘土鉱物等の多孔質化に用いられているものである。我々はこの手法を酸化黒鉛を出発物質として適用し、ピラー化炭素を得ることを試みている。

酸化黒鉛層間化合物を出発物質としたピラー化炭素の合成スキーム