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座学
- 機械材料学
- 力学I
- 力学II
- 力学II演習
- メカトロニクス
- マイクロテクノロジ
機械設計で強度計算を行う際,材料は単にパラメータとして与えられる場合が多い.しかし,実際には同じ材料を用いても,その熱処理や加工などの履歴や環境・応力負荷条件などの使用条件によってその機械的性質は全く異なったものとなる. この講義では,機械設計者が必要な材料学的知識を獲得することを目的とする.機械の理想的な設計・製作にとって必要不可欠な金属に関する基礎知識を学ぶ.具体的には,機械材料として最も広く利用されている鉄鋼材料を中心にして,金属材料の構造と組織,材料試験法,塑性変形挙動,各種使用条件(変動荷重,低温・高温,腐食環境など)での材料の挙動などを口述していく.関連する演習も取り入れる.
力学は物理学の基礎であるとともに,機械システム工学の専門科目を理解するうえで必要不可欠な科目である.力学Tでは,力学のうち,物理学を学ぶのに必要な数学や単位系をはじめ,速度,加速度の概念,運動方程式,エネルギー保存則などを中心に質点の力学について講義する.講義では,単に物理的知識を授けるのではなく,身近な現象を物理的に解釈したり,演習問題を活用することにより,応用力に富んだ力学的思考能力を育てる.
質点系および剛体の運動について,Newtonの法則に基づいて定式化する能力を身に付けるとともに,運動方程式を解析する方法を修得させることを目的とする. 物体の運動は,Newtonの法則に基づいて記述される.力学IIでは,力学Iで学んだ質点の運動に続いて,質点系(多くの質点が集まった系)と剛体の運動について,運動の定式化と解析法に重点を置く.
物体の運動は,Newtonの法則に基づいて記述される.力学U演習では,力学Uで学んだ質点系と剛体の運動について,運動の定式化と解析法に重点をおき,以下の項目に順じて習熟度クラス編成で演習を行う.
メカトロニクスで用いられる各種センサとアクチュエータの原理・特徴を理解させるとともに,それらとコンピュータの間のインターフェースによく利用される簡単な電気回路を修得させることを目的とする. メカトロニクスは,従来からの機械工学(メカニクス)と電気工学(エレクトロニクス)を情報工学(ソフトウェア)で結びつけて融合した学問分野であり,ICやLSIの発達とともに急速に発展し,ロボットのような電子制御された機械を産んだ.機械工学を修得した機械技術者から見た場合,メカトロニクスは主としてセンサ,アクチュエータおおよびコンピュータ制御という3つの要素によって構成されていると言っていい. ここでは,メカトロニクスで使用される代表的なセンサ,アクチュエータの原理や特徴・使用方法を解説するとともに,コンピュータとのインターフェースに用いられる簡単な電子回路技術について演習も行いながら講義する.
半導体加工技術に基づいたマイクロマシンの設計・製作手法を学び,自力で設計するための知識を修得することを目的とする. 半導体加工技術を駆使して作られるマイクロマシンは次世代の電気機械要素として注目されており,現在でも自動車やゲーム機などに多用されている.本講義では,主としてマイクロマシン設計・製作のための基礎技術について説明し,マイクロマシンの要素技術であるセンサ,アクチュエータの種類や原理について論じる.
実験・演習
- 機械物理工学実験
- 機械知能工学実験
- 機械システム設計製図II
- CAD/CAM実習
ニュートン力学,熱,固体物性,波動,電磁気,論理回路など,各物理現象の基本を修得させることを目標としている.
物理は全ての工学・技術の基礎をなしており,その真の理解は基礎的な実験を行い,結果・現象をよく観察し,解析する経験によって初めて得ることができる.実験内容は,ニュートン力学,熱,固体物性,波動,電磁気,論理回路などの重要な部分を網羅した実験を行いながら,各現象に関する十分な理解を得るための解説およびディスカッション,報告書の作成にも重みをおいた教育を行う.
実験内容
@熱の仕事当量実験
ALCR回路の周波数特性の実験
B固体のヤング率測定実験
C電磁モータの回転実験
D熱電対の起電力測定実験
E重力および放物線運動と波に関する実験
Fオームの法則に関する実験
座学で学習した内容をさらに深く理解するために,実際に物理的,工学的現象を体験,観察し,理論と実際の現象との関係,実験パラメータ(要因)と観測結果(特性)の因果関係を把握する力を養う.また,自ら問題設定を行い,その解決法や実験手順を計画することによって,創造性,問題解決能力を養う.
実験は,座学で学習した内容,理論を現象の観察,測定を通じてより理解を深めようとするものであり,工学的技術的問題の有効な解決手法であることを認識させるものである.実験を通じて,機械知能工学の基礎を理解させる.
また,実験結果の整理と考察を通じ,物理現象を理論的に把握する能力を養い,それらを報告書に纏める技術を修得させる.さらに自ら考えて行う創造実験を通じて,創造性と問題解決能力を養う.
実験内容
@レーザー加工実験
A機械加工表面の粗さ測定・解析実験
B圧延加工による加工硬化実験
C両端支持はりの曲げ実験
DA/D,D/A変換,インターフェース実験
Eシステム同定,最適レギュレータ実験
FPID制御とMatlab演習
G振動・波動実験
Hステップモータ,サーボモータの制御実験
I機械知能工学創造実験
車載用カセットを題材に,材料力学,機械設計,機械工作などで学んだ専門知識を復習しながら,機械要素の設計・製図法が修得できることを目的とする. あらゆる機械は,基本部品である「機械要素」から構成されている.機械システム設計製図IIでは,これまでに学んだJIS製図法の知識を基に,材料力学,機械設計,機械工作などで学んだ専門知識を用いて機械要素に関する基礎知識を学ぶ. 設計の基礎的事項について説明した後,車載用カセットを例に,そのメカニズムと構成している機械要素の理解を深める.課題を与えることによって,各自が専門知識を復習しながら設計・製図法を修得できることを目指す.
CAD/CAMは,製品の高品質化や設計・製造の高効率化を図るためにコンピュータを活用する技術である.現在では,多くの製造業で導入されており,現代の機械工学系の学生にとって必要不可欠なものとなっている. この講義では,CAD/CAMの基礎的な知識を学ぶとともに,「手巻きウインチ」の設計とその製作図面のCADによる作図を通じて設計支援システムとしてのCADの役割や生産システム中におけるCAD/CAMの位置づけについて理解を深めていく.
大学院 [TOP]
座学
- インテリジェント材料
- ナノマイクロメカニクス
通常の機械システムでは,外界の状態をセンサによってモニターし,何らかの変化が生じたとマイクロコンピュータが判断した場合,アクチュエータに適切な動作をさせるという制御が行われている. このようなシステムは複雑で,故障に対する安全を確保することが難しくなるケースも生じる.これに対して,センサやアクチュエータの機能を併せ持ち,環境変化に反応して特性が変化するような材料があれば,システムを簡単にすることができるので,非常に有用と考えられる. この条件に合致する材料はインテリジェント材料と呼ばれ,その代表的な材料は形状記憶合金である.これからの機械技術者は,機械システムの設計を行っていく上で,このような新材料についての知識を持っていることが必要となってくる.この講義では,このような新素材を解説し,その理解を深めさせることを目的とする.
本講義の目的は,マイクロ・ナノサイズの試験片を対象とした材料試験技術について学び,材料物性のサイズ効果を理解することである. 半導体加工技術を駆使して作られるマイクロマシンや電子デバイスは,多くのマイクロ・ナノ構造体から構成されている.これらのデバイスの性能・信頼性を向上させるためには,構成材料の機械特性を十分調べ,設計に反映させることが大切である. 本講義では,マイクロ〜ナノスケール構造体の機械特性を調べるための実験技術を紹介するとともに,得られた材料物性のサイズ効果について論じる.また,実験データの統計処理法についても論じる.