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教員詳細

豊田 紀章 [とよだ のりあき]
准教授|博士(工学)
メールアドレス ntoyoda@incub.u-hyogo.ac.jp
豊田 紀章

研究テーマ:ガスクラスターイオンビームによる衝突効果の解明とナノ加工技術への応用

 数千個の原子の塊を加速して照射するガスクラスターイオンビーム(GCIB)は、本研究室で開発されてきた独創技術です。数eV/atomといった超低エネルギー粒子が数nm程度の領域に同時に衝突するため、基板原子とGCIB構成原子との非線形衝突効果が生じ、低損傷照射効果、高効率二次イオン放出、平坦化効果、低損傷エッチングなど、これまでのイオンでは実現できない特徴的な照射効果を示すことが明らかとなっています。本研究室では、GCIBの発生方法から、GCIBを利用した半導体、カーボン材料、生体材料等の高精度ナノ加工・成膜・分析などへの応用について幅広く研究を行っています。
 左図にガスクラスターイオンビーム装置の構成を示します。中性のガスクラスタービームはノズルから高圧ガスを噴出させることにより生成し、電子衝撃法でイオン化することにより、GCIBを所望のエネルギーに加速します。通常、イオン一個あたり数千個のガス原子・分子が結合したガスクラスターを用います。
 右図は、磁性膜であるFeCo膜のGCIBエッチング前後の断面透過電子顕微鏡像と各点における電子線回折像を示します。反応性GCIBエッチングにより、FeCo膜が削られ、また結晶構造が乱れていないことから、ダメージ無く加工が行えていることが分かります。 GCIB技術は、他手法では実現できない低損傷・高精度加工を実現できるため、幅広い用途への応用が期待されています。

  • ガスクラスターイオンビーム装置の構成

    ガスクラスターイオンビーム装置の構成

  • GCIBエッチング前後のFeCo膜の断面TEM像と電子線回折像

    GCIBエッチング前後のFeCo膜の断面TEM像と電子線回折像