学部・研究科案内

教員詳細

山崎 徹 [やまさき とおる]
教授|工学博士
メールアドレス yamasaki@eng.u-hyogo.ac.jp
山崎 徹

研究テーマ:高強度・高延性のナノ結晶/アモルファス複合合金の創製と応用

 ナノ結晶組織を有する超微細結晶粒材料は、セラミックスのように硬く脆性的な材料でも、高い強度と延性を発現すると期待されてきました。しかしながら、従来の粉末原料の固化成形により作製されたナノ結晶材料(結晶粒サイズ:10nm~100nm程度)は非常に脆く、結晶粒の微細化に伴って激しい脆化を生じています。この原因として、ナノ結晶材料は本質的に脆いという考え方と、粉末の固化成形プロセスに問題があるという考え方が長く対立してきました。 一方、粉末の固化成形プロセスを必要としない電解析出法(電気めっき法)はナノ結晶合金を作製するのに非常に適した方法です。筆者らは、ナノ結晶とアモルファスの複合組織を有するNi-W電析合金は、一般のケイ酸塩ガラスよりも硬い材料であるにもかかわらず、密着して折り曲げても割れない大きな塑性変形を示すことを見出しています。 図1に示すように、Ni-W電析合金の引張破断強度は3,000MPa程度にまで達する超高強度材料ですが、大きな塑性変形を生じています。この変形量は、ナノ結晶とアモルファスの複合組織を有する合金で顕著に観察されます。この原因として、アモルファス母相中にある硬質のナノ結晶粒が引張時の塑性変形に誘起されて成長し、変形部分を局部的に硬化させます。その結果、次に起こる塑性変形は未だ硬化していない別の部分に移動することになり、試料全体が伸びていくものと考えられます。 図2にナノ結晶/アモルファス複合組織を有するNi-W合金を用いた超微細金型の試作例を示します。本Ni-W合金は非常に大きな強度を有しており、300 nmピッチの超微細なLine & Space構造を純Al板上に常温で高圧プレスすることにより、ナノ形状転写が実現できています。これら超微細加工に適した材料の開発は、次世代の省エネルギー技術の開発には不可欠で、さらなる新材料の創製と応用に取り組んでいます。

  • 電析Ni-W合金の引張試験結果

    電析Ni-W合金の引張試験結果

  • Ni-W合金金型と純Al板へのナノ形状転写

    Ni-W合金金型と純Al板へのナノ形状転写