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研究テーマ:精密高分子合成、ドラッグデリバリーシステム

〇研究の強みは?
 遊佐研究グループの強みは、ポリマーの精密合成法(図1)による新規ポリマーの開発力と、合成したポリマーの詳細なキャラクタリゼーションの技術を持っている点です。
 ポリマーの精密合成法を使って、さまざまな新規機能性ポリマーを合成しています。特に温度、pH、光、添加物などの環境の変化に応答した会合・解離を制御可能な水溶性ポリマーを開発しています。

〇この研究は何に役立つの?
 外部刺激に応答して会合・解離を制御可能なポリマーの会合体内部に、抗癌剤などの副作用の強い薬剤を取り込ませることで、副作用を低減して体内の目的部位だけで薬剤を制御放出できるようになります(図2)。このような新しい薬剤投与法はドラッグデリバリーシステム(DDS)と呼ばれています。しかし通常、人工的に合成したポリマーを生体内に導入すると、そのポリマーが異物として免疫系に認識されて血栓形成などの問題を生じます。そこでDDSを実現するため、合成ポリマーと生体組織がどのように相互作用するのかを調べて、体内で異物として認識されない、生体に優しいポリマーの合成を行っています。DDSの目的以外にも、生体にとって優しいポリマーは、さまざまな医療用材料、医療器具、人工臓器などの表面のコートにも応用可能です。
 高分子の精密合成法に基づいた分子設計により、体に優しいシャンプー、サンスクリーン剤、化粧水、環境に優しいインク・ペンキなども企業と一緒に開発しています。

〇研究の目標は?
 基礎研究を行う遊佐研究室のメンバーをはじめとする、研究に関わった人全てが、研究を通してハッピーになることを目指しています。

  • 図1 高分子精密合成法のRAFT重合の反応機構

    図1 高分子精密合成法のRAFT重合の反応機構

  • 図2 外部刺激で会合・解離を制御可能なポリマーの例

    図2 外部刺激で会合・解離を制御可能なポリマーの例