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[ものづくり]

制御システムの構造系とコントローラの同時設計

大学院工学研究科 電気物性工学専攻 助教 星野 光

最適制御から最適システム設計へ:最適制御は、あるシステムの性能を最大化するためのコントローラ(制御器)を設計するための枠組みです。私たちは、従来の最適制御の枠組みを拡張することで、コントローラだけでなく構造系もあわせて設計を行う最適システム設計の手法を確立することを目指した研究を行っています。

制御システムにおける構造や機構系とコントローラ(制御器)を同時に最適化する設計手法を開発しています。これにより、構造系と制御系の互いの弱点を補い、長所を引き出すような無駄のない設計が可能になります。

背景

通常あるシステムを設計する場合には、初めに寸法や材料特性などの物理的な構造を決めてから、それを動かすためのコントローラを設計する、2段階の設計アプローチがとられます。しかし、これらを同時に設計することによって、制御しやすい構造や機構系の設計を行うことにより制御時の負荷を減らすほか、効率よく制御することにより過剰な材料投入を防ぎ、コスト削減につながります。

詳細

最適なコントローラを設計するための最適制御理論および強化学習を発展させることで、通常は制御対象として所与と見なされる構造や機構系を同時に最適化する手法を開発しました。これまで類似の目的のために対象の線形応答を仮定した手法や、制御を行う時間区間が短い場合に有効な手法などがありました。今般、提案する手法では非線形システムに対する長時間の制御性能を改善するような同時設計が可能となりました。

展望

提案手法の適用により、 ロボットなどのメカニカルシステムの構造とコントローラを同時に最適化できるほか、電力エネルギーシステムの運用計画と設備計画を同時に考慮した最適システム設計などを行うことができるようになります。

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大学院工学研究科 電気物性工学専攻 助教 星野 光

researchmap
https://researchmap.jp/h-hoshino

研究者情報

共同・受託 研究実績
期間 2021年10月~2025年3月
テーマ JST ACT-X, 電気料金設計のためのマルチスケールモデリング
相手先 科学技術振興機構(JST)
報告学会、展示会等の情報、 その他関連情報 [1] K. Nishimura, H. Hoshino, and E. Furutani, Combined plant and control co-design via solutions of Hamilton-Jacobi-Bellman equation based on physics-informed learning, 2024 Joint 13th International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems and 25th International Symposium on Advanced Intelligent Systems (SCIS&ISIS), Himeji, Japan, November 9-12 (2024)
[2] H. Hoshino, An approach to integrated design of physical structure and controller based on Galerkin approximations of Hamilton-Jacobi equation, Proceedings of the 2023 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA2023), pp.403-406, Catania, Italy, September 26–29 (2023).

研究者マップ

兵庫県立大学工学研究科が提供できる最先端の研究成果・高度な技術リソース/ノウハウなどをご紹介します。共同研究や受託研究や技術相談などを通じて、新しいアイデアや技術を共に生み出し、未来を共創するパートナーをお待ちしております。

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