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[ものづくり]

フォトクロミック材料を用いた液晶高分子の機能開拓

兵庫県立大学 工学部 応用化学工学科 准教授 近藤 瑞穂

液晶は分子の並び方を外からの刺激で簡単に変えられる性質をもち、ディスプレイや温度計など幅広い分野で利用されています。我々は、液晶に光で形を変える分子を組み込むことで、色や透明性から固さや形状まで自在に変化させられる新しい材料の開発をすすめています。

液晶は分子の並び方を外からの刺激で簡単に変えられる性質を持ち、ディスプレイや温度計など幅広い分野で利用されています。従来は熱や電気によって制御されてきましたが、近年は非接触で環境にやさしい光を用いた制御が注目されています。とくに、フォトクロミック分子のような光に応答して形を変える分子を液晶高分子に組み込むことで、光を当てるだけで色や透明性が変わったり、固さや接着力、形状までも自在に変化させることが可能になります。この仕組みを利用すれば、光で動いたり形を変えたりする新しい材料の開発につながると期待されています。

背景

液晶はディスプレイ材料として広く用いられているだけでなく、温度計や繊維など多様な分野にも応用されている興味深い材料です。液晶は結晶と液体の中間的な性質を有し、流動性を持ちながら分子の配向を外部刺激によって容易に変化させることができ、さらに多様な集積構造を形成できる点に特徴があります。従来、液晶の配向制御には熱や電場といった刺激が主に利用されてきましたが、近年では光を用いた制御が盛んに研究されています。光は非接触かつクリーンなエネルギー源であるだけでなく、曲面や微細構造にも対応可能であり、持続的な技術発展に大きく寄与し得るものです。

詳細

アゾベンゼンやN-ベンジリデンアニリンといったフォトクロミック色素は、光照射により分子形状を可逆的に変化させる特性をもちます。これらの色素を液晶高分子内部に導入することで、光による分子形状変化を介して高分子鎖の局所構造や液晶性を制御することが可能となります。実際に、照射により液晶相から等方相への転移や液晶秩序の低下を誘起でき、結果として色や透明性といった光学特性のみならず、硬さ・接着性・形状といった機械的特性までも変調することができます。さらに、直線偏光を利用すれば、これらの変化を方位選択的に引き起こすことができ、より高度な機能を備えた材料創出へとつながります。

展望

具体的には、以下のような研究に結びつくと考えられます。
・光に反応する接着材料・粘着材料
・固さや熱伝導性に異方性を有する材料
・光で伸縮するアクチュエーター

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兵庫県立大学 工学部 応用化学工学科 准教授 近藤 瑞穂

researchmap
https://researchmap.jp/MK-6011

研究者情報

研究情報
ジャーナル Chemistry Letters
タイトル Anisotropic Adhesive Interface Formed by the Spontaneous Orientation Behavior of Liquid Crystal Polymers 
著者 Mizuho Kondo, Tatsuki Nagata, Yukitaka Hyodo, Daisuke Okai, Hiroki Adachi, Nobuhiro Kawatsuki
メンバー Mizuho Kondo, Tatsuki Nagata, Yukitaka Hyodo, Daisuke Okai, Hiroki Adachi, Nobuhiro Kawatsuki
URL https://doi.org/10.1093/chemle/upae066

研究者マップ

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