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[ものづくり]

強誘電性半導体薄膜の新機能を見出し次世代エネルギーデバイス・電子デバイスを創出する

大学院工学研究科 電子情報工学専攻 准教授 中嶋 誠二

シリコンの限界を超える、次世代デバイスを支える強誘電性半導体

強誘電体は極めてよく外場に反応する多機能な材料です。外場というのは外から与えるエネルギーであり、電場、磁場、応力、光、温度等を指します。強誘電体はここに挙げたすべての外場に反応し種々の応答することから、り不揮発性メモリ、アクチュエータ、各種センサ等に応用されており、みなさんの生活にはなくてはならない材料です。この強誘電体は基本的に絶縁体ですが、我々はその半導体的性質に注目しています。強誘電体の半導体的性質を用いることで、新メカニズム太陽電池、光駆動アクチュエータ、AIデバイスを創出することを目指しています。

背景

Ga2O3、 SiC、ダイアモンドといった、これまで絶縁体として扱われてきた物質群を半導体として扱い、パワーデバイス等への応用が注目されています。このことは絶縁体と半導体は元来、類似したエネルギーバンド構造を持つためです、絶縁体と半導体の境界がなくなりつつあることを示しています。我々は絶縁体の中でも、自発分極を有し、圧電性、焦電性を併せ持つ強誘電体を半導体として利用する、強誘電性半導体物性に着目しています。強誘電性半導体、非常に多彩な特性を示す強誘電体の特性と半導体物性をカップリングすることで新たな機能性を見出すことが可能となります。

詳細

 例えば、現在主流であるSi太陽電池はp型半導体とn型半導体を接合したpn接合構造を基本としています。一方、強誘電性半導体はその空間対称性を破る結晶構造から、光を照射するだけで発電する性質を持っています。これはバルク光起電力効果と呼ばれ、Si半導体にはない物性です。我々は、強誘電性半導体BiFeO3薄膜にMnを微量添加することで80Kにおいて、光を照射するだけで852Vもの巨大電圧が発生することを発見し、報告しています。また、強誘電体は電圧を加えると歪が発生する逆圧電効果呈します。このバルク光起電力効果と逆圧電効果をカップリングさせることで光駆動アクチュエータとすることができます。我々は、短冊状のBiFeO3薄膜/SrTiO3構造に光を照射することで、短冊の先端が変位することを見出しています。さらにBiFeO3の導電性を自らの自発分極の向きで制御することにも取り組んでおり、これによりAIデバイスの創出が期待できます。

展望

具体的には、以下のような研究に結びつくと考えられます。
・pn接合型太陽電池の性能を超える、新メカニズム太陽電池
・光で後続駆動する、光駆動アクチュエータ
・脳型コンピュータ、インメモリコンピューティングを実現するニューロモルフィックデバイス

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大学院工学研究科 電子情報工学専攻 准教授 中嶋 誠二

researchmap
https://researchmap.jp/read0153029

研究者情報

研究情報
ジャーナル Scientifiv Reports
タイトル Enhancement of photovoltage by electronic structure evolution in multiferroic Mn-doped BiFeO3 thin films
著者 Seiji Nakashima, Tohru Higuchi, Akira Yasui, Toyohiko Kinoshita, Masaru Shimizu, Hironori Fujisawa
メンバー Seiji Nakashima, Masaru Shimizu, Hironori Fujisawa
URL https://doi.org/10.1038/s41598-020-71928-5
報告学会、展示会等の情報、 その他関連情報 応用物理学会、強誘電体会議 等

研究者マップ

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