南 裕樹Yuki Minami

教授|博士(情報学)

[mail] minami@eng.u-hyogo.ac.jp

電気電子情報工学科 電気工学コース
電気物性工学専攻 スマートシステム制御学研究グループ

制御工学はモノの動きをデザインする学問で,スマートなシステムを構築するうえで欠かせないものです。講義では,制御工学や関連科目の魅力を楽しく伝えることを心がけています。また,動画教材などを提供し,多様な学習スタイルに対応した学びの場の構築を目指しています。研究では,制御とAIの融合や,モビリティを含むスマートシステムへの応用展開に取り組んでおり,これが研究グループ名の由来になっています。

制御システムの品質を保つ情報圧縮技術

学べる内容・身に付くスキル

制御理論や制御技術,信号処理,画像処理,最適化アルゴリズムの基礎が学べます。そして,開発技術の実装や検証実験を通して,ソフトウェア技術(MATLAB,Python)とハードウェア技術(センサ,アクチュエータ)を習得できます。

限られた情報しか使えない状況でも,精度の高い制御を可能にする技術の研究を進めています。一般に,信号やモデルの情報を圧縮すると,制御システムの性能が低下してしまいます。この性能劣化をできるだけ小さくするために,制御システムのモデル情報を活用してスマートに圧縮する「ノイズシェーピング量子化」を提案しています。この手法は,ロボット制御をはじめ,画像圧縮,分散最適化アルゴリズム,ニューラルネットワークの軽量化など,多様な分野へ展開しています。情報を賢く扱うことで,より省リソースで高機能なシステムの実現を目指しています。

制御システムとAIをつなぐ技術

学べる内容・身に付くスキル

AI技術や制御理論の基礎が学べます。そして,開発技術の実装や検証実験を通して,ソフトウェア技術(物理シミュレータ,ROS,MATLAB,Python)を習得できます。

制御技術とAI技術を統合し,両者の強みを活かしたAI制御システムを構築する研究を進めています。AI予測を制御システムに活用する動きが加速していますが,AI予測には誤差が伴い,その影響を無視することはできません。そこで,予測誤差が制御性能に与える影響を抑えるために,予測値を適切に整形する「予測ガバナ」という技術を開発しています。そして,電力システムや自動運転システムなどへの応用を目指しています。さらに,AI予測の不確かさそのものを積極的に活用し,より信頼性の高い制御を実現する研究や,AIと人,AIと環境をつなぐテーマにも取り組んでいます。