福室 直樹Naoki Fukumuro

准教授|博士(工学)

[mail] fukumuro@eng.u-hyogo.ac.jp

応用化学工学科 化学工学コース
化学工学専攻 表面エネルギー化学研究グループ

講義では、卒業研究で多くの学生が材料分析に使用する電子顕微鏡、各種元素分析装置、およびX線回折装置の原理と特徴を解説し、実際の写真やデータを示して研究に役立つ分析事例を紹介します。研究では、大型機械の表面処理から微細な電子部品の製造まで幅広く応用されている「めっき」について、膜中に共析した水素の存在状態とそれが構造と物性に及ぼす影響を解析しています。

めっき膜中の水素の挙動解析

学べる内容・身に付くスキル

めっき膜の構造と物性に様々な影響を及ぼす水素の存在状態を昇温脱離ガス分析、電気化学的水素透過法、およびX線回折法などを用いて解析する技術を学べます。

めっき膜中に共析した水素の存在状態とそれが構造と物性に与える影響を調べています。めっき膜中に共析した水素は、膜のふくれや剥離、ボイドの形成、室温粒成長、および素地金属の水素脆化などを引き起こす原因になります。めっき条件による膜中への水素の共析量と存在状態の変化を昇温脱離ガス分析、電気化学的水素透過法、およびX線回折などを用いて詳細に解析し、めっき膜中への水素共析を低減することを目指しています。

電気化学的手法による機能性薄膜の創製と形成機構の解明

学べる内容・身に付くスキル

透過電子顕微鏡による薄膜材料の原子分解能観察、ナノレベルの元素マッピングと結晶構造解析の技術を学べます。

電解および無電解めっき、電解研磨や陽極酸化などの電気化学的手法によって形成される薄膜と材料表面の構造を解析し、その形成機構を調べています。プリント基板の銅めっき配線の導電性、ステンレス鋼の表面酸化膜の耐食性、およびポーラスシリコンの可視光発光特性等の物性は薄膜と表面の微細構造に依存するため、走査電子顕微鏡とX線回折だけでなく、透過電子顕微鏡を用いたナノレベルの構造解析を行っています。電気化学的手法によって得られる機能性薄膜の特性向上を目指すとともに、プロセスの環境負荷とコストを低減することを目指しています。