講義では、単に定式化された内容だけでなく、その分野が発展してきた歴史経緯についてもお話することで、工学の本質が理解できる指導を心がけています。研究では、生体や無機物質の構造とそれらの構造がもっている性質を使ったデバイスや制御システムの研究をおこなっており、これが研究グループ名の由来となっています。
ナノ材料の特性、摩擦の原理、潤滑油の原理が学べます。
潤滑油はそれだけでは低摩擦も低摩耗も十分な効果を得ることができません。それらを補うために各種の分子を添加剤として配合します。しかし近年の低粘度潤滑油では、これまでの分子状の添加剤では十分な効果を発揮しません。非常に強い強度、低摩擦性を発揮するナノ材料を添加剤として利用することが求められています。我々は比較的に価格の安い酸化グラフェンを添加剤して研究しています。最近、酸化グラフェンを凝集させて用いると摩擦低減効果が大変高いことが明らかになってきました。
走査電子顕微鏡の結像メカニズム、操作方法、摩擦の原理が学べます。
表面と表面とが擦れあう界面(摩擦界面)で摩擦は発生します。科学は観察と分析によって発達してきましたが、摩擦界面は金属など見えない物質でサンドイッチされたところなので観察・分析が非常に困難です。しかも摩擦現象は電子顕微鏡で見なければならないほど、小さな現象です。これまで、光学顕微鏡でしかみれませんでしたが、電子透過膜を摩擦基板として、その相手材を走査電子顕微鏡(SEM)で観察できる装置を開発した。それによって世界で初めての明らかになった現象を見出しています。