黒田 雅治Masaharu Kuroda

教授|博士(工学)

[mail] m-kuroda@eng.u-hyogo.ac.jp

機械・材料工学科 機械工学コース
機械工学専攻 非線形力学研究グループ

教育では、機械力学と計測工学を担当しており、力学を使いこなせるようになるように、抽象性と具体性のバランスを心がけています。研究では、非整数階微積分の工学応用や非線形力学の基礎的研究を行っており、さらにはそれらの制御も目指しています。

非整数階微積分を用いた振動制御

学べる内容・身に付くスキル

従来の微積分では実現できない波動制御や非整数階LQR制御による振動制御と、ディジタル信号処理装置(DSP)による制御系の実装方法が学べます。

「1階微分」、「2階積分」といった整数階の微積分については、高校以来ずっと学習してきましたが、実は非整数階の微積分も定義できます。その中で工学的に応用可能性の高い分数階の微積分について研究しています。具体的には、分数階の微積分を用いて運動方程式が記述できる系のダイナミクスとその制御について取り組んでいます。特に、簡単な実験系を実際に組んで、分数階の微分応答を実現することから始め、最終的には機械系の振動を制御することを目標としています。図は磁気浮上系に非整数階サーボLQR制御を適用した実験装置です。

カオスを含む非線形振動の工学応用

学べる内容・身に付くスキル

非線形振動を適切にモデル化する力と、それらを工学的に応用するセンスが身につきます。

カオス、ソリトン、そしてパターン形成現象は、非線形力学の分野において一種の“花形”的テーマでもあります。本研究では理論解析、数値計算的アプローチにとどまらず、簡素な実験系を組んで実験的なアプローチからも研究に取り組み、カオス、ソリトン、そしてパターン形成現象の機械工学的な応用、かつ非線形性の積極的・肯定的な利用を目標としています。図はカオスの波形、その位相面図およびポアンカレ・プロットです。