講義では、基本的な原理や法則を、他分野との相関や身近な環境問題、最先端の研究と関連させて伝えるよう心がけています。さらに化学分野教育で大切とされている、「原子の構造」、「化学結合の仕組み」、「化学反応と反応速度」、「無機化合物と有機化合物」、「物質の状態」について掲げられた到達目標を達成できるように内容を工夫しています。
研究では、おもにDNAに主眼をおいて、多様で複雑なDNAの機能または作用を理解することで、それらを応用した新しいDNA機能材料を創っています。
DNAの高次構造と機能を学べ、その機能を再現するための分子設計のセンスと有機合成のスキルを身に付けることができます。
蛍光性分子を連結した短鎖のDNAを使って、生体内の多様な機能または作用がどこで起こっているのかを蛍光で判別する研究を行っています。キラリティーは自然界における根本的な特徴の一つであり、生命活動の解明や機能性材料開発の上で重要な要素でもあります。ここではDNAのらせん構造上に蛍光性分子を並べて超分子キラリティーを発現させて、機能または作用で引き起こされる超分子キラリティーのスイッチングに対応した蛍光出力の実現を目指しています。これによって生体のどこで機能または作用が起こっているのかを判別することが可能になります。
生体内の分子間の弱い相互作用がどのような作用を示すのかを学ぶことができ、サンプルの取り扱い方や機器を使った分析技術を身に付けることができます。
人工DNAを鋳型材料にしてDNA塩基受容体(レセプター)を修飾した重合性モノマーを自己組織化により集積させたナノサイズの分子集積体中で重合反応を行い、ポリマーの分子量と立体規則性が制御を目指しています。鋳型重合は希薄溶液での重合と立体規則性の制御が可能であるが、従来の鋳型重合では分子量の制御された鋳型材料の合成が容易ではありません。分子量を制御して合成できる人工DNAを鋳型に利用することでポリマーの分子量の制御が期待できます。