三浦 永理Eri Miura

准教授|博士(工学)

[mail] emiura@eng.u-hyogo.ac.jp

機械・材料工学科 材料コース
材料・放射光工学専攻 材料界面機能学グループ

キーワードは材料の複合化,界面や表面.チタンやマグネシウムなどをベースに,生体材料の機能改善に役立つ表面処理法の研究や,金属やセラミックスのいいとこ取りした複合材料の開発,錆びにくいチタンやアルミ,錆びやすいマグネシウムが腐食環境下で摩耗するとどうなるか?など研究しています。結晶の中で異種原子や欠陥はどう振る舞って何をどう変える?講義では現象を数式でもイメージでも理解出来る様に.大学内外で女子生徒の理系進学支援や女性研究者支援にも関わっています。

白い金属を創る

学べる内容・身に付くスキル

学べる内容:結晶材料の熱力学や電気化学,表面化学,光の理論,反応速度論や材料強度学等
身につくスキル:金属やセラミックスの熱処理技術,電気化学的処理技術,電気化学測定,電子顕微鏡や表面分析機器の操作,機械試験の実施と評価方法

熱や電気,プラズマの力でチタン合金の表面を白くする研究です.白くなるのはチタンの表面が酸化するから.酸化とはいわゆる「錆び」です.ただしチタンの錆は真っ白で,塗料に使われたり,食品添加物に使われたり,光触媒機能を発揮したり,細胞との接着性を良くしたり,人体にも安全で役に立つ機能を持っています.研究室では,このチタンの白い酸化膜の成膜方法やその性質を調べ,それを利用したコスパ良くて見た目も白い歯科デバイスとしての応用を目指しています.写真はチタン製歯冠の白色化前(左)と白色化処理後(右)

トイラボコロージョン現象の謎に迫る

学べる内容・身に付くスキル

学べる内容:金属材料の加工学,強度学,表面化学,材料の腐食理論等
身につくスキル:機械試験の実施と評価方法,金属やセラミックスの熱処理技術,電気化学測定,電子顕微鏡や分析機器の操作

一般的には硬さの違う材料をこすりあわせる(摩擦)と,軟らかい材料の方が削られます(摩耗).錆びやすい環境に置かれた材料は,表面から錆びます(腐食).では,腐食しやすい環境で摩耗したら?「腐食」+「摩耗」か,「腐食」x「摩耗」なのか?!チタンやアルミニウムは表面に出来る「不動態被膜」のお陰で錆び(酸化)に強く,一方マグネシウムは腐食しやすい実用金属の代表です.そしてそれぞれ硬さも靭性(粘り強さ)が異なります.腐食と摩耗の複合効果「腐食摩耗(トライボコロージョン) 」に材料の特性がどう関与していくかを調べています。写真はチタン合金の摩耗部分の断面元素マップ.表面(上方)では酸素が検出されました。