講義では,熱・統計力学の基礎を通して磁性材料のもつ性質がどのように現れるかを説明しています。単に公式や法則を記憶するのではなく,どのようにしてそれらが導かれたかを理解してもらうことを心がけています。研究では,材料物理に関する理論研究を行なっています。新しい省エネデバイス材料の宝庫である遷移金属化合物で見つかった面白い現象を量子力学や統計力学に基づいて説明したり,逆にそれらの知識を活かして実験提案,物性予測を行っています。
量子力学の基礎や,大規模数値シミュレーションに対するプログラミング技法を学べます。
遷移金属酸化物では強い電子間相互作用に由来して,高温超伝導を始めとする面白い性質を示すものが数多く見つかっています。そのような性質がなぜ現れるのか,その背景にある物理を理解するためには,模型(仮説)を立てて解析計算や数値シミュレーションで検証を行う必要があります。このような仮説を立て検証するを繰り返すことで新しい機能を持った材料開発に向けた研究をおこなっています。
機械学習で必要となるプログラミングの基礎について学び,自身でプログラムを組めるようになります。
ニューラルネットワークに対する機械学習を用いることでさまざまな量子秩序状態の表現や分類ができることが知られています。この手法を応用することで,従来の方法では検出が面倒な量子トポロジカル状態を簡易に検出できないか研究しています。例えば,磁性体に対する有効磁気模型に対する数値シミュレーションで得られる情報を学習済みニューラルネットワークに入力することで,量子スピン液体と呼ばれるような特異な量子状態を低コストに判別することを目指しています。