ビッカース硬さ試験以外の硬さ試験として,次のふたつの硬さ試験について簡単に紹介したいと思います

ブリネル硬さ試験 (Brinell Hardness Testing)

 直径がD(mm)硬球または超硬合金球の圧子を用いて,試験面に球分のくぼみをつけたときの試験荷重F(N)とくぼみの直径d(mm)から求めたくぼみの表面積S(mm2)より硬さを算出します.

ロックウェル硬さ試験 (Rockwell Hardness Testing)および

  ロックウェルスーパーフィシャル硬さ試験 (Rockwell Superficial Hardness Testing)

ロックウェル硬さは,ビッカース硬さやブリネル硬さとは異なり,くぼみの深さにより硬さを測定する硬さ試験です.

ここでは,はじめに基準荷重F0を試料に加えてその時の圧子の深さを基準点とします.次に,試験荷重F1で押し込みを行い,その後F1を除去して基準荷重の状態に戻します.この時,弾性変形分は回復しますので塑性的な変形だけが残ります.以上のような基準→試験→基準荷重の順で行った時の深さの差h (mm)より,下表に示す定義式を用いて硬さを求めます.

この試験方法のうち,基準荷重が98.07 Nの試験をロックウェル硬さ29.42 Nの試験をロックウェルスーパーフィシャル硬さと言います.