
電子−酸化物イオン混合導電性酸化物による酸素透過膜の作製
概略
一酸化炭素と水素との混合ガスである合成ガスは、メタノール合成やFT合成といったC1化学に欠かせない出発原料である。今日において、その製造方法はメタンの水蒸気改質法が主流であるが、この反応は、吸熱反応であるため外部エネルギーの供給が必要であること、副生成物として二酸化炭素が生成してしまう。また合成ガス比(H2/CO)が2でないため次反応へシフトできないなどの問題がある。代替の製造方法としてメタンの部分酸化法 CH4 + 1/2O2 → CO + 2H2 があるが、これにはコストの高い純酸素が必要であるため実用化に至っていない。そこで電子−酸化物イオン混合導電性酸化物を反応器に用いれば、膜の一端に空気中の酸素を取り込み、もう一方に膜内部を移動した酸素を一定量供給することでメタンの部分酸化が可能であるため一体化型反応器として期待される。
Key Words : 混合導電性酸化物、メタン部分酸化、膜反応器
利用用途 : 酸素分離膜、固体酸化物形燃料電池のカソード材料等