研究一覧（1999年1月〜12月）
Inchwormロボットの最適軌道生成に関する研究
松本敏士，長谷川素由，奥田孝一，布引雅之
1999年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集，p1(1999)
Inchwormロボットは複数の関節を有しているため，歩行時，ある関節を初期位置から目標位置まで移動させるといった基本的な動作でも無数の経路及び速度パターンが存在する．そこで本研究では，Inchwormロボットが動作中に消費するエネルギーを評価関数とした場合の軌道計画問題について述べる．次に，垂直平面内で運動するシミュレーションモデルを用いてシミュレーションを行い，実機による実験を行う．
超精密切削加工における工具の温度上昇分布
奥田孝一，長谷川素由，布引雅之
1999年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集，p353(1999)
ダイヤモンド工具による超精密切削過程において発生する熱量は，通常切削におけるそれと比べると極めて小さいということから，これまでさほど重要視されなかった．しかしながら，超精密切削における切削温度は数百℃にもなることが測定により確認されており ，また，工具シャンク部は数℃から10℃近くまで温度上昇することが報告されている ．このオーダの温度上昇は，サブミクロンの精度を対象とする場合には大きな問題となると考えられる．本研究では，ダイヤモンドチップおよびシャンク部における切削中の温度上昇量ならびに温度分布の状態を詳細に検討するため，非接触式の温度測定装置である赤外線温度画像解析装置を用いて，工具および被削材の表面温度上昇の測定を行った．主として，切削条件および被削材種による影響について検討した結果を報告する．
ＣＯ２レーザによる金属円管の高品位加工に関する研究
野波正信，長谷川素由，奥田孝一，布引雅之
1999年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集，p487(1999)
金属円管の切断は溶断あるいは旋削などによる成形加工が一般的であるが、レーザ切断を用いることで、複雑な形状をより高精度、より短時間に、よりフレキシブルに加工が行え、生産性の向上に有効であると考えられている。とくに、Ｔ字溶接継ぎ手を構成する金属円管では、相手の外径に合わせて先端を切り取る場合、レーザで精度良く切断できれば、これまでのプレスによる加工に比べて、パンチによる変形がなく、Ｔ字で突き合わせるときのクリアランスを小さくでき、溶接欠や、肉盛りを少なくできる。だが管径が小さくなるにつれて貫通したレーザビームの影響を受けるため、同じ肉厚の平板の切断加工条件を適用できなくなる。そこで本研究では、貫通したレーザビームによる影響等の円管の加工特性を明らかにした。
ウェーブレット変換を用いた超精密旋削加工断面曲線の特徴抽出
柴田弥須生，長谷川素由，奥田孝一，布引雅之
1999年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集，p508(1999)
ダイヤモンド工具による超精密旋削加工面は通常切削に比べていわゆる理論粗さに近い表面になる．しかし，そのような超精密加工面も工具形状と送りによる周期的成分以外に，微小振動，刃先溶着物，結晶粒界などによる非周期的変動成分を含んだ断面曲線をもつ．そのため，主として高精度・高機能部品として用いられれる超精密加工面のテキスチャリングは製品機能に対して大きな影響を及ぼすと考えられる．本研究では，超精密旋削面を評価するために，信号解析手法の一つであるウェーブレット変換を用いて，仕上げ面の断面曲線から特徴抽出することを試みた．
粗さ分布系のリヤプノフ評価
秋田達也，長谷川素由，袖岡隆信*，奥田孝一，布引雅之，中西祐二 **
*ナショナル住宅産業，**東京都立高専
日本機械学会第１回生産加工・工作機械部門講演会講演論文集，pp.91-92(1999)
This paper deals with the chaotic characterization of the statistical roughness distribution. By use of the order statistics,the statistical distribution of the ground surface roughness derived by taking the dressing and the gridinding mechanism into consideration. Based on the caluculated results of the lyapnov exponent,it has been classified the statistical distribution of theoretical ground surface by chaotic characterizaion.姫路工業大学における設計・製図教育の現状
奥田孝一
日本機械学会第１回生産加工・工作機械部門講演会講演論文集，pp.141-142(1999)
This paper introduces a present state of education on mechanical design and drawing at Himeji Institute of Technology, especially new department of mechanical and intelligent engineering. As the department was established in 1993, a seminar room for CAD was built and an education on CAD was started with a software of "Auto CAD". A curriculum of design and drawing in new department consists of the subjects of "Mechanical design and drawing" and "Practice of computer aided design". In 1998, the compuer system in the CAD room was renewed. We attempt practical use of new system for more effective education on CAD.
Inchwormロボットの水平面内での運動性能に関する研究
春野隆，布引雅之，長谷川素由，奥田孝一
精密工学会1999年度関西地方定期学術講演会講演論文集，p13(1999)
本研究では従来４つのピッチ関節を持つ５リンク型であったInchwormロボットに，１つのヨー関節を付加することによってInchwormロボットの運動機能の向上を図った．これによって水平面内で平行移動や方向転換，転倒からの起き上がりが実現できた．
研削仕上げ面粗さの理論的特長抽出
秋田達也，長谷川素由，奥田孝一，布引雅之
日本機械学会年次大会講演論文集，pp15-16 (1999)
The experimental and statistical theories about ground surface roughness have been reported by the model of the Normal, the Weibll, the Double exponential, the Gamma and the Uniform distribution, respectively. Based on the proposed theories, this paper discusses about the theoretical characteristics of ground surface roughness. It has been shown that the statistical models of ground surface have the chaotic characteristics by computational results.
Study on the gaits of an inchworm robot through a narrow path
M. Nunobiki, M. Hasegawa, K. Okuda, N. Huruse and Y. Takita*
*National Defense Academy
Advanced Robotics Vol. 13, No. 3, pp.329-330. (1999)
本研究ではインチワームロボットでコンチェルティーナ運動を再現し，狭隘な空間の踏破能力について検討を行った．実機実験により，鉛直方向の狭隘路を登ることを確認した．また，ロボットの構造によって制約される移動可能な環境を明らかにした．
アルミニウム粗大結晶の超精密切削加工
奥田孝一，小田和哉，長谷川素由，布引雅之
精密工学会秋期大会学術講演会講演論文集，p 200 (1999)
本研究では，アルミニウムの粗大結晶を実用的加工条件の下で超精密切削し，結晶粒界切削時における切削力，仕上面粗さの変化，結晶粒界段差の測定を試み，結晶方位の及ぼす影響について検討を行った．