不安定及び共存密度成層乱流場における組織的乱流構造の形成過程
福井啓介,勝屋訓
化学工学論文集, 21, 300(1995)
平行平板間における不安定および共存密度成層乱流場の発達過程に関し,温度変動による条件付きサンプリング法により,組織的乱流構造の形成過程を調べた。不安定
成層乱流場では,加熱された下面近傍で発生した小さな組織的渦が下流に行くにつれて上壁面にまで達する大規模乱流縦渦に発達す
ることが明らかになった。共存密度成層乱流場では,密度成層の発達に伴い,不安定成層内部で生じた上昇流が安定成層内部にまで到達し乱流縦渦を形成するが,上部の
安定成層の影響で横方向に流れを生じ,形の歪んだ乱流縦渦が形成されることが明らかになった。また,共存密度成層乱流場では,乱流縦渦の成長に伴って上層部と下層
部に,それぞれ薄い層の組織的構造が発達することを明らかにした。