学 部


機械工作 II Machine Shop Technology II

2単位 3年 前期2時間 奥田孝一

講義目的

 本講義では、機械製作法の中の切削加工、研削加工、砥粒加工、特殊加工の加工原理、加工法と特徴、加工条件と加工現象の関係について理解させる。

科目の位置付け、教育内容・方法

 機械工作?(鋳造,溶接,塑性加工)に続く講義で、材料の不要部分を除去することにより製品形状を作製する加工法を学習する。すなわち、刃物による切削加工、砥石による研削加工、砥粒による研磨加工などの機械加工と熱エネルギによる溶融加工、物理化学反応による除去加工法を主な内容とする。機械工作法は、設計製図の結果を受けて所望の精度をより経済的、効率的に実現する加工工程を設計するために必要な知識である。製品設計段階で加工技術に関する知識がどのような位置付け、重要性を持つか、設計製図、工作実習の講義と関連づけながら講義を行う。

授業計画

 1.精密加工概説(切削・研削加工概要、数値制御工作機械・加工の自動化概説)
 2.切削加工1(旋盤・ボール盤・中ぐり盤作業)
 3.切削加工2(フライス盤・平削盤・形削盤・立削盤・ブローチ盤・金切盤作業)
 4.切削加工3(切削の原理、二次元切削、切りくず、工具形状)
 5.切削加工4(切削抵抗、切削温度)
 6.切削加工5(切削工具材料、工具寿命)
 7.中間試験
 8.研削加工1(研削盤作業、円筒・内面・心なし・平面・工具・重研削)
 9.研削加工2(砥石、砥粒)
10.研削加工3(研削抵抗、砥石摩耗)
11.精密表面仕上げ加工(ホーニング、超仕上げ、ラッピング、その他の砥粒加工)
12.特殊加工1(化学加工、電解加工、放電加工)
13.特殊加工2(エネルギービーム加工、超音波加工、付着加工)
14.期末試験

達成目標

 種々の材料に所定の形状や機能を与える加工法の原理、およびそれを実現する機械や処理法の基礎を理解する。


教科書
 佐久間敬三・斎藤勝政・松尾哲夫著、機械工作法、朝倉書店


生産システム工学 Manufacturing Systems Engineering

2単位 3年 前期2時間 奥田孝一

講義目的

 生産システム工学では,設計から製造までものづくりの一連のプロセスにおける生産のしくみ,自動化技術,コンピュータ援用技術について講義を行い,製造業における生産システムの役割と重要性について理解させる


科目の位置付け、教育内容・方法

生産の自動化,効率化を考えた場合,製造過程における個々の固有技術もさることながら,設計から製造までの統括的な生産システムの良否が非常に重要となる.この生産システムの基礎知識ならびに最近のコンピュータを利用したインテリジェントなシステム化技術,さらに生産工程の設計,計画のソフトウェア技術に関する知識の修得を目的にして講義を行う.


授業計画
 1. 生産システムの概要
 2. FA/CIMの歴史
 3. フレキシブル生産システムI −数値制御工作機械−
 4. フレキシブル生産システム? −組立てとロボット−
 5. 製品設計I −モデリングの基礎−
 6. 製品設計?−CADシステム−
 7. 中間試験
 8. 工程設計I −工程設計の基礎−
 9. 工程設計? −作業設計−
10. フローショップスケジューリング
11. ジョブショップスケジューリング
12. 生産管理
13. 次世代生産システム 14. 期末試験

達成目標

生産システムの概念と基本構成,生産システムの評価技術について理解していること.生産活動における資源や原材料の流れ,製品への変換過程,生産情報の管理について理解していること.生産システムにおけるコンピュータ援用技術の意義および種々のソフトウェアの概念を理解していること.


教科書
 「メカトロニクス教科書シリーズ6 コンピュータ統合生産システム」
 藤本英雄コロナ杜
 プリント


機械設計 II Machine Design II

2単位 2年 後期2時問 奥田孝一

講義目的

 我々は機械を考えるとき、1)機械を利用する立場、2)機械の機能に注目する立場および3)機械を作る立場から眺めることができる。機械設計とは、機械を作る立場からその具体的方法論を明らかにすることであり、機械工学の諸分野の応用を基盤としている。

科目の位置付け、教育内容・方法

 機械や装置を製作する際に使用する部品や要素、その選択法、設計手段(形状決定,強度計算,材料選択など)の基本を講義により理解させ、演習例題の解説により応用力を身に付けさせる。機械設計?では機械の設計に関する基礎について学び、機械設計?ではその応用として具体的な機械部品の設計に主眼を置く。機械設計?の講義内容は軸受および潤滑法、歯車、各種巻掛け伝導装置、ばね、管・管継手・バルブである。授業時間内に適宜演習を行い、要素設計を具体的に習得できるようにするが、演習の時間が十分に取れないので、予め教科書の内容や章末の演習問題を自習しておく必要がある。

授業計画

 1.軸受および潤滑法(1)(軸受および潤滑法の分類、すべり軸受)
 2.軸受および潤滑法(2)(転がり軸受)
 3.軸受および潤滑法(3)(その他の軸受、シール)
 4.歯車(1)(歯車・歯車系動力伝達装置の種類、円筒歯車の幾何学)
 5.歯車(2)(円筒歯車の強度設計)
 6.歯車(3)(かさ歯車およびハイポイド歯車の設計、ウォームギアの設計)
 7.中間試験
 8.巻掛け伝動装置(1)(平ベルト伝動、Vベルト伝動)
 9.巻掛け伝動装置(2)(Vベルト伝動、チェーン伝動)
10.巻掛け伝動装置(3)(チェーン伝動、ロープ伝動)
11.ばね(1)(ばねの機能と規格、コイルばね)
12.ばね(2)(板ばね、トーションバー)
13.管・管継手・バルブ(関連法規および規格、配管部品の設計、配管材料の選定)
14.期末試験

達成目標

 軸受、歯車、各種巻掛け伝動装置、ばね、管・管継手・バルブの機械要素設計法の基礎的事項を理解していること。特に、機械設計において使用頻度が高い軸受のトライボロジー(摩擦、摩耗、潤滑)や歯車の幾何学を理解していること。また、上述の各種機械要素の設計法が機械システム設計製図?の課題へ応用できること。

教科書
 日本材料学会編「機械設計法」


機械知能工学演習 I, II Seminar of Mechanical and Intelligent Engineering I, II

2単位 3年 後期2時間 奥田孝一,井上尚三,石垣博行,持地廣造

講義目的

 機械知能工学の技術者として必要不可欠な専門基礎知識に関する演習および輪講を、“Fundamentals of Engineering”試験関連の英文書物(解説書および演習問題集)を用いて行うことにより、機械系基礎科目の演習問題に解答できるようになると共に機械英語を読みこなす能力を身につけたグローバル・エンジニアとしての能力を養う。


科目の位置付け、教育内容・方法

 機械知能工学の技術者として必要不可欠な専門基礎知識に関する演習および輪講を、“Fundamentals of Engineering”試験関連の英文書物(解説書および演習問題集)を用いて行う。これにより、機械系基礎科目に対する理解を深め、演習問題に解答できるようになるだけでなく機械英語を読みこなす能力を身につけたグローバル・エンジニアとしての能力を養っていく。これにより、卒業時点でFE試験に合格することを目指した勉学の動機付けをする。尚、この演習では、教員の監督・指導の下、大学院生が実際の細かい指導を行う。


授業計画

 機械知能工学演習?および?あわせて2時限を1回として、下記の中から4つのテーマについての演習、英文輪講、試験を行う。

1 ガイダンス
2 テーマa(英文輪講)
3 テーマa(演習)
4 テーマa(演習・試験)
5 テーマb(英文輪講)
6 テーマb(演習)
7 テーマb(演習・試験)
8 テーマc(英文輪講)
9 テーマc(演習)
10 テーマc(演習・試験)
11 テーマd(英文輪講)
12 テーマd(演習)
13 テーマd(演習・試験)

テーマ:System, Dynamics, Statics and Mechanics of Materials, Materials Science, Electricity等

達成目標

3年の前期までに学んだ機械工学やメカトロ関連の学問について、英文の基礎的な演習問題に解答できるとともに機械英語を習得していること。


機械システム設計製図 I Mechanical Design and Drawing Part 1

2単位 2年 前期6時間 廣田満昭,奥田孝一,山下正人,布引雅之,松田聡,伊藤和宏,河南治

講義目的
 機械設計製図?では、JISに基づいた製図法の講義と製図演習を通じて、基礎的な機械図面を与えられた時間内に製図する能力を身につけさせる。


科目の位置付け,教育内容・方法

 各種産業における生産設備や工業製品などの製作に際し、まず、対象物は図面として表される.製図は、製作に携わる者あるいは他の関係者に設計者の考え全てを伝える唯一の手段である。それ故、機械工学技術者にとって、図面が正確に読み書き出来る能力は必要不可欠である。機械設計製図?では、JISに基づいた製図法の解説と基礎的な機械部品の製図演習(一部の課題では独自の研究調査を含んでいる)を行うことにより機械製図法の基礎を修得し、また、独自の判断で機械設計製図を完成させる基礎的能力を身につけることを目的とする。

授業計画

1. 機械製図法の概説、図面の構成
2. 文字の記入法
3. 基礎となる図法
4. 図形の表し方
5. 寸法の記入法
6. 主要な機械部品.部分の図示法
7. 中間試験
8. 寸法公差および幾何公差の表示法
9. 面の肌・溶接記号の表示法
10. 図面管理および見取り図、その他の工業部門製図、CAD製図
11. 期末試験
12. 期末試験
13. 期末試験

達成目標

所定の課題を含む基礎的な機械図面を、与えられた時間内に製図する能力を身につける。


教科書
 「JISにもとづく標準製図法」,津村利光,大西 清, 理工学杜


CAD/CAM実習 Seminar of CAD/CAM

2単位 3年 前期2時間 井上尚三,奥田孝一,生津資大

講義目的

 CAD/CAMは、製品の高品質化や設計・製造の高効率化を図るためにコンピューターを活用する技術である。現在では、多くの製造業で導入されており、現代の機械工学系の学生にとって必要不可欠なものとなっている。この講義では、CAD/CAMの基礎的な知識を学ぶとともに、「手巻きウィンチ」の設計とその製作図面のCADによる作図を通じて設計支援システムとしてのCADの役割や生産システム中におけるCAD/CAMの位置づけについての理解を深めていく。


授業計画

1. CADによるモデリングの実際、CAMの基礎
2. AutoCADの操作実習 (1)、設計課題の説明
3. AutoCADの操作実習 (2)
4. 手巻きウィンチの設計
5. 手巻きウィンチの設計
6. 手巻きウィンチの設計
7. 設計書の提出、口頭試問
8. CADを用いた図面製作
9. CADを用いた図面製作
10. CADを用いた図面製作
11. CADを用いた図面製作
12. CADを用いた図面製作
13. 製作図面の提出、口頭試問

達成目標

AutoCADの使用方法をマスターすること。「手巻きウィンチ」の設計を通して、与えられた仕様(性能)を満足する機械を時間内に設計し図面作成する基礎能力を身につける。


教科書
 「AutoCAD LT2002機械製図」 間瀬善夫、土肥美波子 理工学社


外国書輪講 II English Comprehension for Mechanicals and Intel1igentt Engineering II

1単位,4年I,後期2時間 奥田,井上

講義目的

 機械知能工学関係の英語文献の読み方を修得させるとともに、英語によるプレゼンテーションの方法についても言及する。


科目の位置づけ,教育内容・方法

 近年の技術者は,世界的規模で研究開発動向,技術情報,製品情報など最新の情報をさまざまな英語メディア(論文,雑誌,インネターットなど)を通じて収集・獲得しなければならない機会が多くなっている.また,電子メールによる英語での情報交換や研究成果などの英語によるプレゼンテーション能力も要求される.この外国書輪講では,機械知能工学関係の英語文献を輪講形式で読んでいくことにより,テクニカルタームの取得,短時間で英文内容を読み取り理解するする能力,英語によるプレゼンテーションの方法を身に付けさせる.


授業計画

1.技術者に必要とされる英語,技術英語の特徴,読み方
2.技術英文読解(生産加工関係)
3.技術英文読解(生産加工関係)
4.課題
5.技術英文読解(生産加工関係)
6.技術英文読解(生産加工関係)
7.課題
8.技術英文読解(機械材料関係)
9.技術英文読解(機械材料関係)
10.課題
11.技術英文読解(機械材料関係)
12.技術英文読解(機械材料関係)
13.課題
14.英語プレゼンテーションの方法

達成目標

文献収集の方法を修得し、技術英文読解に慣れること。また、自分の得た知識を集約して発表する技術を習得することを目標とする。


機械知能工学実験 Experiments of Mechanical and Intelligent Engineering

2単位 3年 前期6時間 機知全教員

講義目的

 本講義は,座学で学習した内容をさらに深く理解するために,実際に物理的,工学的現象を体験,観察し,理論と実際の現象との関係,実験パラメータ(要因)と観測結果(特性)の因果関係を把握する力を養う.また,自ら問題設定を行い,その解決法や実験手順を計画することによって,創造性,問題解決能力を養う.


科目の位置付け、教育内容・方法

 実験は座学で学習した内容,理論を現象の観察,測定を通じてより理解を深めようとするものであり,工学的技術的問題の有効な解決手法であることを認識させるものである.実験を通して,機械知能工学の基礎を理解させる.また,実験結果の整理と考察を通じ,物理現象を理論的に把握する能力を養い,それらを報告書にまとめる技術を習得させる.さらに自ら考えて行う創造実験を通じて,創造性と問題解決能力を養う.


授業計画

1.レーザ加工実験
2.機械加工表面の粗さ測定・解析実験
3.圧延加工による加工硬化実験 
4.両端支持はりの曲げ実験
5.A/D, D/A変換,インターフェース実験 
6.システム同定,最適レギュレータ実験
7.PID制御とMatlab演習
8.振動・波動実験
9.電気・電子回路実験
10. ステップモータ,サーボモータの制御実験
11. 機械知能工学創造実験
12.機械知能工学創造実験
13.機械知能工学創造実験


達成目標

 各実験の目的や基礎知識を理解した上で,実験を行い実験手法や器具の使用方法について修得する.さらに実験で得られた結果を講義で得た知識と絡め理解を深め,物理現象を考察する能力を身につける.最後に,実験結果についてレポートを作成し,文章,表,グラフの書き方や発表の仕方を修得する.



大学院前期(修士)課程


超精密加工学 (U1tra-precisionMachining)

2単位 後期2時間 奥田孝一

講義内容

 超精密加工における加工原理,加工機構ならびに極限加工技術について講義するとともに高精度・高能率加工を実現するために不可欠な加工の知能化,システム化技術について概説する.また,最近の研究論文の輪読,討論を通じて超精密加工技術の理解を深める.


機械知能工学特別演習 I (Advanced Seminar in Mechanica1 & Intel1igent Engineering I)

4単位 後期8時間

石垣博行・亀岡紘一・持地広造・奥田孝一・井上尚三
小西康夫・乾徳夫・三田村徹・布引雅之・生津資大・佐藤孝雄

講義内容

 機械知能工学の分野における最近の技術や研究動向を,図書,文献,資料などの調査,輪講および全教員に対する発表形式で質疑討論し,理解を深める.


機械知能工学特別演習 II (Advanced Seminar in Mechanica1 & Intel1igent Engineering II)

4単位 前期8時間

石垣博行・亀岡紘一・持地広造・奥田孝一・井上尚三
小西康夫・乾徳夫・三田村徹・布引雅之・生津資大・佐藤孝雄

講義内容

 修士論文のテーマに関係する機械知能工学分野の最近の技術や研究動向を,図書,文献,資料などの調査および指導教員との徹底的討論によって理解し,さらに,その結果を修士論文のテーマと関連づけた内容で全教員に対する発表を行い,質疑討論を通じて理解を深める.


大学院後期(博士)課程


機械知能工学講究 I (Study on Mechanical and Intelligent Engineering I)

2単位 前期2時問

奥田孝一・井上尚三

講義内容

(概要)メカトロニクス・電子分野の材料の物性・創製・微細加工・生産に関する高度な理論・技術・研究解析手法・最新の情報を習得させることを目的とする.講義内容は次のとおりである.

(オムニバス方式)

(奥田孝一教授) 先端切削加工:超精密切削加工における高精度・高能率化に必要な知能化技術ならびに加工機構解明のための切削理論,解析技術および鏡面評価法について講義する.また,極限加工技術の観点から,原子オーダの除去加工における最近の理論解析手法ならびに技術動向についても論じる.

(井上尚三教授) 表面改質技術:メカトロニクス材料の表面制御技術として重要な位置を占めている硬質コーティングやイオン注入などの真空プロセスによる表面改質技術の基礎について講義する.また,最近の技術動向についても論じる.


機械知能工学セミナー I (Seminar of Mechanical and Intelligent Engineering I )

2単位 後期4時間

奥田孝一・井上尚三

講義内容

(概要) 在来の加工技術および特殊加工技術や薄膜作製などの複合加工技術の原理,加工特性,材料的・力学的な評価・解析手法および知能化技術について,最近の知識を横断的に習得させることを目的とする.指導内容は次のとおりである.

(オムニバス方式)

(奥田孝一教授) 超精密加工システム:超精密ダイヤモンド切削加工システムを取り上げ,微小切削プロセスのモデリングとシミュレーション,微小切削力と切削温度の測定技術とこれらが加工精度に及ぼす影響,鏡面生成機構を中心に最近の研究成果について講義する.また,セラミックス,半導体材料などの難削材料の鏡面切削技術のトピックスを述べる.

(井上尚三教授) 機能性薄膜:マイクロマシンの実現にはミクロンオーダーの機能性材料をいかに制御性よく合成するかがポイントである.ここでは,傾斜機能材料や耐摩耗性コーティングを始めとする機能性薄膜の合成方法とその評価方法に関する最近の研究成果について講義し,その将来を展望する.