第8回「適応学習制御」講義会

第8回「適応学習制御」講義会
「制御器調整の理論と応用」

主催:計測自動制御学会 制御部門
企画:知的システム構築のための適応学習制御調査研究会

知的システム構築のための適応学習制御調査研究会では、「制御器調整の理論と応用」を主テーマとして、VRFT(Virtual Reference Feedback Tuning)やFRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning) に関する制御器調整の理論や、セルフチューニング、制御器調整の事例報告について講義会を開催いたします。制御器調整の理論と応用に関する最近の話題について興味のある研究者や技術者の方にとって有益な情報が得られる良い機会ですので、ご参加いただきますようにお願いします。


プログラム:
13:00-14:00
講師:金子 修君(大阪大学)
演題:一組の実験データのみを用いた制御器パラメータ調整について -FRITとVRFT-
講義概要:本講演では、一組の実験または操業データを用いて所望の応答特性をもたらすような制御器のパラメータ調整を可能にするFRITとVRFTについて説明する。特に著者らの研究グループで研究されている前者を中心に解説し、 基本的なアイディア、アルゴリズム、使用上の注意点、VRFTとの違いなどを説明する。そして、最近の話題として、FRITの二自由度系への拡張や、ノイズ除去、システム同定への応用などについても述べる。
14:00-14:15
休憩
14:15-15:15
講師:佐々木 尚史君(横河電機)
演題:抄紙機における乾燥モデルを応用した銘柄変更制御と幅方向制御における位置対応閉ループ同定技術の紹介
講義概要:製紙プロセスの最終工程である抄紙機においては、紙の水分率や厚み、坪量等を均一にするために、各種の制御が行なわれている。本講演では、抄紙機における乾燥プロセスのモデリング技術を銘柄変更制御に応用し、製品ロス時間を大幅に短縮することに成功した事例の紹介と、坪量を幅方向に均一化する制御において最も重要なチューニングパラメータである位置対応を閉ループ同定によって求める技術についての紹介を行なう。
15:15-15:30
休憩
15:30-16:30
講師:大寶 茂樹君 (三井化学)
演題:三井化学に於ける制御性改善手法の紹介と社内展開の事例紹介
講義概要:PID制御装置の調整には専門知識および時間を要するため、多くのプラントでは最適調整されているとは言い難いのが実状であった。三井化学では「PID制御装置」のPIDパラメータを容易に最適調整することを目的として「パラメータの的確性の診断」、「プロセス特性の算出」、「最適なパラメータの算出」等の機能を有するソフトを自社開発した。本講演では、この自社開発ソフトの紹介と社内での改善事例を紹介する。