学部・研究科案内

教員詳細

山本 宏明 [やまもと ひろあき]
准教授|博士(工学)
山本 宏明

研究テーマ:熱力学諸量の測定と非水溶液からの機能性合金の作製

(A)固体電解質を用いた起電力法による熱力学諸量の測定化学熱力学に関連した基礎的な研究
 ZrO2ベースの固体電解質を用い、測定対象物質を含んだ平衡相を電池試料とする酸素濃淡電池を作製し、その起電力を測定することで測定対象物質の標準生成ギブズエネルギーを決定する研究を行っています。図1は、決定したCr-B2成分系の標準生成ギブズエネルギーに基づき作成したCr-B-O3成分系の酸素ポテンシャル図です。通常の状態図では理解できない合金組成と酸素ポテンシャル、酸化物相の関係を明らかにすることができました。測定した熱力学諸量は化学平衡図の作成や酸化特性の考察などに活用しています。
(B)非水溶液を用いた高耐食性亜鉛合金めっきの作製
 溶融塩やイオン液体、アルコール類を金属や合金の電析媒体として用いる非水溶液電解について研究しています。これまで、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロミドというイオン液体やアルコールの一種であるエチレングリコールを用い,亜鉛-マグネシウム合金めっきを作製できること,また,それらは高い耐食性を有することを明らかにしました。現在は、亜鉛-マグネシウムに第3元素を添加した合金めっきを研究しています。
(C)非水溶液を用いた熱電変換材料の電解作製
 エネルギーハーベスティング技術の一環として、排熱などの熱エネルギーから電気エネルギーを回収できる熱電変換材料の電解作製について研究を行っています。電解作製により薄膜上の熱電変換材料が作製でき、デバイスの高容量化などが期待できます。図2は、AlCl3-NaCl-KCl-FeCl2無機系溶融塩を電解することで作製したFe-Al系合金のゼーベック係数です。Fe-Al合金の組成によってその熱電変換特性がn型やp型に変化することが確認できました。溶融塩組成や電解条件によってFe-Al合金の組成が制御でき、さらに熱電変換特性をも制御できることを明らかにしました。

  • Cr-B-O3成分系の組成-酸素ポテンシャル図

    図1 Cr-B-O3成分系の組成-酸素ポテンシャル図.
    Materials Transactions, Vol. 62, No. 6, pp. 821-828 (2021).

  • Fe-Al合金のゼーベック係数

    図2 Fe-Al合金のゼーベック係数.
    J. Electrochemical Society, Vol. 168, 012503 (2021).