我々は、電気を通したり、特定の波長の光を当てたとき明るく光ったり(蛍光)する色々な機能を持つ粒子を合成する研究をしています。微粒子は一般に小さければ小さいほど表面積が大きくなり機能も高いといわれています。しかしながら、小さな粒子は同時に互いがくっつきやすくなってしまうため、上手くバラバラの状態にして使う必要があります。このように「超微粒子をいかに上手く作ってやるのか」という問題は工学上とても重要な技術となります。私が行っている研究を簡単にご紹介します。1つは火炎法を用いた微粒子の合成です。炎の中に原料となるガスや霧状にした液体を噴霧すると可燃性の物質は燃えて二酸化炭素や水になりますが、燃えない物質は酸化されてススのような固体になります。例えば酸化チタンは通常は白色で電気を通しませんが、条件を上手く整えれば黒色で電気を良く通す酸化チタンを作ることができます。2つめは、水の中で蛍光を発する粒子を合成する方法です。詳しくは述べられませんが、半導体の微粒子をこれまでにない小さなサイズで、しかもバラバラになった状態で簡単に得ることができる画期的な方法です。Fig.1かわ分かるように紫外線を当てると水色に光る粒子が得られています。最後に、機能性の繊維をご紹介します。微粒子の研究室で繊維の研究?と思われるかもしれませんが、微粒子は扱いが難いため機能をそのままに別の形に加工する技術はとても重要です。Fig.2は光触媒としても有名な酸化チタンを綿状にしたもので、柔軟でとても扱いやすいものが得られています。以上の他にも色々な研究をしています。興味を持っていただければ嬉しいです。
蛍光を発する粒子
綿状の酸化チタン繊維の概観