半導体技術はIT社会実現に大きく貢献して来ました。現在は、パワーエレクトロニクスとしても発展し、家電、輸送機器、送配電用のエネルギーの高効率化を徐々に実現して、エネルギー・環境の分野に貢献し始めています。本研究室では、半導体技術の基幹技術の一つである結晶成長を基軸にして、高効率エネルギーの電気物性開拓を目指しています(左図)。合わせて、優れたパワーエレクトロニクスを推進できる高い電気材料の技術者を育成します。
酸化ガリウムなどパワーエレクトロニクス用新材料のプロセス、特にドーピング技術の研究開発を行います。
現在、シリコン系のIV族半導体では燐、砒素、硼素の3つの軽元素のみがドーパントとして使われています。本研究では、重元素を新たなドーパントとして開拓する事で、量子情報デバイスの量子ビット、スピントロニクスデバイスのスピン源など局所電子状態を使った機能的な電子材料開発を行い、省エネルギーデバイスに資することを目指しています。
半導体材料中のナノ構造の原子・電子構造解析に放射光を用いた分析手法を幅広く取り入れています。現在、科学研究費補助金 新学術領域「3D活性サイト」及び高エネルギー物理学研究機構の低速陽電子グループと連携し、3Dイメージング及び陽電子回折など新分析手法の利用を進めています。
研究目的
放射光施設での実験風景