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教員詳細

菊池 祐介 [きくち ゆうすけ]
教授|博士(工学)
メールアドレス ykikuchi@eng.u-hyogo.ac.jp
菊池 祐介

研究テーマ:パワーエレクトロニクスと放電・プラズマの融合による持続可能社会の実現に向けた研究

 我々の身の回りの物質は固体,液体,気体という姿を持っていますが,さらに温度を上げていくと,原子や分子が電子やイオンへと別れたプラズマ状態になります。プラズマの特徴の一つは容易に高いエネルギー状態を生み出せることにあります。例えば,最近の空気清浄機にプラズマと名前の付いた製品が多くありますが,プラズマが持つ高いエネルギーを用いてウイルスを不活化・殺菌しています。さて,プラズマや放電の研究開発は“抑制する”と“利用する”の両面があります。前者の例にインバータ駆動モータコイルの絶縁技術があります。インバータ電源を用いたモータの省エネ運転は電気自動車や将来の電動航空機等で重要な技術ですが,放電によるモータの絶縁不良が産業界で大きな問題となっています。電機メーカとの協力の下,放電・プラズマ計測技術を駆使して高性能モータ研究開発を進め,国際電機規格審議の場にも参画しています。一方,積極的に放電・プラズマを使う技術として,様々な材料の表面改質・高機能化があります。例えば,高硬度,高ガスバリア性等の優れた性能を持つダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜技術の開発があります。従来のDLC成膜は低ガス圧プラズマ装置を用いていますが,成膜時間が長くコストが高くなってしまいます。そこで,最近開発された高速スイッチングが可能なSiC-MOSFETインバータ電源で準大気圧下の高繰り返しナノ秒パルスプラズマを生成すると,従来の10倍以上の速度でDLC成膜を実現できています。また,表面が真っ黒に見える繊維状ナノ構造金属を準大気圧ヘリウムプラズマ照射によって実現する新材料創製も行っており,光触媒や放熱材料としての応用が期待されています。これらのプラズマ・イオンと材料の相互作用・制御に関する研究では、インバータ等の電力変換回路技術が重要な役割を果たしています。このように、パワーエレクトロニクスと放電・プラズマを融合させることで、持続可能社会の実現を目指して研究を行っています。

  • プラズマ・放電研究マップ

    教育研究の目指すところ

  • 高熱流ダブルパルスプラズマ生成・照射装置

    準大気圧高繰り返しナノ秒パルスプラズマ装置