伊藤 和宏Kazuhiro Itoh

教授|博士(工学)

[mail] itoh@eng.u-hyogo.ac.jp

応用化学工学科 化学工学コース
化学工学専攻 流体計測研究グループ

さまざまな工業製品の生産に必要な流体(液体と気体)の性質を教えています。「流体力学は難しい」と嫌われがちなので、教科書に沿って丁寧に解説し、できるだけ応用例を紹介しています。研究では、実験とコンピュータシミュレーションを組み合わせて流体に関係する諸問題に挑戦しています。

エマルション(乳濁液)の迅速測定手法

学べる内容・身に付くスキル

エマルションの試作から流体解析、機械学習といった、製品開発の現場で役立つ幅の広い知識と経験を身につけることができます。

エマルションの粘度や表面張力を簡便に迅速測定するシステムを開発しています。「試料を小さな容器に入れて傾けるだけ」の簡単動作を撮影し、その動画をAIに学習させて物性を予測します。ハンドクリームやマヨネーズなど、化粧品や食品によく用いられるエマルションですが、粘度や表面張力の測定には特別な装置が必要で、時間と手間がかかります。当システムにより商品の開発時間が短縮され、人に優しい日用品や食べ物であふれた豊かな社会の実現を目指します。

微細藻類による有用物質の生産

学べる内容・身に付くスキル

バイオ医薬品、生分解性プラスチック、人工繊維など急速に拡大する微生物生産技術の基盤となる細胞培養について学べます

バイオ燃料や健康食品などを生産する微細藻類を工業的に大量培養する方法を研究しています。液体中の藻類の光合成を活性化させるための撹拌方法や、効率よく増殖させるための培地(栄養源)を検討します。微生物による工業生産は低炭素・循環型社会づくりに不可欠な基盤技術であり、医療品・バイオ燃料・プラスチック材料・食品などに用いられ、また水産養殖では藻類が餌として活用されるなど、応用分野が広がっています。