日本が発展してきた背景において、電気・電子分野の果たしてきた役割は非常に大きいと考えています。私自身は機械工学を基盤として研究を進めてきましたが、その視点を活かしながら、電気・電子工学の基礎や応用について、学生とともに学び、考える姿勢を大切にしています。
研究では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微細な電気機械構造)を基盤としたセンサデバイスの開発に取り組んでいます。「アイデアを議論する→実際にものづくりができる→アイデアが形になる」といったクリエイティブな楽しさを感じることができる研究だと考えています。
MEMS技術を用いた微小センサデバイスの設計・作製・評価を通して、電気電子工学、機械工学、材料工学、情報処理を横断的に学ぶことができます。特に、微細加工プロセスでは半導体製造装置の知識とそれを扱う経験が身につきます。
ヒトの触覚受容器に学び、接触力やすべり、硬さ、振動などの触覚情報を取得するMEMS触覚センサの開発に取り組んでいます。
特に、圧電体やひずみゲージを集積した微細なMEMS構造とアナログ回路を組み合わせることで、センサ自体が接触情報を時間的に変換・記憶・分離する「情報処理する触覚センサ」の実現を目指しています。このようなセンサは、ロボットハンドや人工皮膚、医療・福祉機器、ウェアラブルデバイスなど、人や物に安全に触れて作業する次世代システムへの応用が期待されます。
また、非線形MEMSシステムや物理リザバーコンピューティングの考え方を取り入れることで、触覚センサにとどまらず、デバイスそのものの物理応答を活かして情報を処理する、低消費電力・低遅延な次世代センシング技術への展開を目指しています。