研究分野と研究テーマ

研究概要

我々の研究グループでは熱力学を化学平衡や化学反応の分野に応用した化学熱力学に関連する研究を行っています。

基礎的な研究として、標準生成ギブズエネルギーを含めた物質の熱力学諸量の測定を行っています。主に次の二つの方法を用いています。一つは298 Kにおける溶解熱測定と極低温から高温に至る物質の熱容量測定を組み合わせる熱量計法です。標準生成エンタルピーと標準生成エントロピーを決定することで、標準ギブズエネルギーを決定しています。もう一つの方法は、固体電解質を用いた起電力法です。固体電解質を用いて酸素濃淡電池を作製し、その起電力を測定することで、目的物質の標準生成ギブズエネルギーを決定します。また、これらの結果に基づいた計算状態図や化学平衡図の作製も行っています。

一方で、化学熱力学を材料設計・研究に用いた応用的研究も行っています。製錬・物質創成に関わる分野の研究として、溶融塩などの非水溶液溶媒を用いた機能性薄膜の電解作製を行っています。溶融塩電解では水溶液から得ることができない金属・合金の電解析出が可能です。これまで高耐食性めっきや熱電変換機能を有する薄膜の作製を試みてきました。また、廃材や都市鉱山からの有価金属の分離・回収に関する研究も行っています。

研究の概要図

[図] 熱化学研究グループの研究概要

主な研究

平成28年の研究テーマ

  • 修士論文
    • Cr-B-O 三成分系相関係の決定に基づく起電力法によるCr3B4およびCr5B3の標準生成ギブズエネルギーの測定
    • 使用済核燃料ガラス固化体中生成相R2(MoO4)3(R=La, Sm)の熱力学諸量の測定
    • 超硬合金都市鉱山からのタングステンの分離回収および二酸化炭素を原料とする白金代替タングステン炭化物触媒の創成による資源循環
    • フッ化物溶融塩法と溶媒抽出法を併用した超硬合金都市鉱山からのタングステンの分離回収およびコバルトフリー硬質合金の作製
  • 卒業論文
    • 固体電解質を用いた起電力法によるCr5B3の標準生成ギブズエネルギー決定
    • Al−Nd 2成分系中間化合物Al3Ndの熱力学諸量の測定
    • AlCl3-NaCl-KCl-FeCl2溶融塩におけるFe-Al合金の定電位電解作製
    • エチレングリコール-CoCl2-SnCl2-SbCl3非水溶液からのCo-Sn-Sb三成分合金電析
    • 塩化物溶融塩法と溶媒抽出法を併用した超硬合金都市鉱山からのタングステンの分離回収
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