ナノ・マイクロ構造科学研究センター

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連絡先

兵庫県立大学大学院
工学研究科

ナノ・マイクロ構造科学
研究センター

Research Center for Nano-Micro Structure Science and Engineering,
Graduate School of Engineering, University of Hyogo

〒671-2280
兵庫県姫路市書写2167
兵庫県立大学インキュベーションセンター3F
TEL/FAX: 079-267-4916
Email: neas1@incub.u-hyogo.ac.jp
URL: http://www.eng.u-hyogo.ac.jp

兵庫県立大 ナノ・マイクロC × 東北大金研関西C 合同講演会

ミーティングバナー

・兵庫県立大学ナノ・マイクロ構造科学研究センター・東北大学金属材料研究所関西センター合同講演会
 平成23年に、兵庫県立大学ではナノテクノロジーを支える基盤的な研究および超省エネ社会の実現を目指し「ナノ・マイクロ構造科学研究センター」を開設しました。また同年、東北大金属材料研究所では関西圏における産官学連携活動を機軸とした産業支援を行なうべく「関西センター」を開設しています。開設当初より両センターは、学術連携を締結し相互協力の下で事業を進めており、本合同講演会では、両センターで行なわれている研究成果の一部を紹介することを目的に企画されました。今回は「生体・環境関連」をテーマにして研究シーズ等の紹介を行ないました。

・東北大学金属材料研究所関西センター ものづくり基礎講座
 関西センターでは、ものづくり企業への技術シーズや新材料の紹介、金属素材の基礎的な解説を目指した「ものづくり基礎講座」を定期的に開催しております。兵庫県では第3回目の開催となる今回、技術セミナーとして「身体との調和を図るモノづくり」をテーマに、生体用金属およびセラミックス材料に焦点をあて、その特性と実用化について、産学両面の立場から紹介を行いました。

【第1部】兵庫県立大学ナノ・マイクロ構造科学研究センター・東北大学金属材料研究所関西センター 合同講演会

司会:兵県大ナノ・マイクロ構造科学研究センター 准教授 足立 大樹

開会挨拶01

合同講演会開会挨拶

兵県大ナノ・マイクロ構造科学研究センター長 教授 山崎 徹

 合同講演会の開会に先立ち、山崎教授から開会の挨拶がありました。位置的に県立大ナノ・マイクロ構造科学研究センターと東北大金研関西センターの中間にある県立工業技術センターをこれら2つのセンターをつなぐ拠点としての働きと、神戸を拠点とした産学連携の発展に対する期待が述べられました。


開会挨拶02

来賓挨拶

兵庫県立工業技術センター 所長 上田 完次

 本合同講演会の開催にあたり、工業技術センター所長の上田様よりご祝辞を頂戴いたしました。ご自身の研究経験を交え、「最新の観察技術の進歩がどのような結果をもたらしたかということを考えると気持ちが高ぶる思いである」と、研究に対する熱い思いを語っていただきました。


合同講演会講演01

人体活動モニタリングシステムとエナジーハーベスティング

兵県大ナノ・マイクロ構造科学研究センター 准教授 藤田 孝之

 本講演では、人体活動モニタリングシステムの概要について紹介し、その構成技術の一つであるマイクロ発電デバイス(エナジーハーベスタ)の開発についてお話いただきました。特にMEMS技術を利用した振動型エナジーハーベスタのうち、エレクトレット静電発電とNdFeB 磁性膜による電磁発電について作製から評価までわかりやすくまとめてご説明いただきました。


合同講演会講演02

超音波化学と環境・生体関連分野への応用

東北大金研関西センター 准教授 水越 克彰

 はじめに、超音波に関して、その歴史や発生の物理的メカニズム、そして様々な分野に向けた応用についてお話いただきました。本公演では、水溶液中への超音波照射で得られる音響キャビテーションが化学反応に利用可能な高温・高圧の微小反応場をもたらす手法であることを取り上げ、超音波ならびに 超音波を用いた化学(ソノケミストリー)の基礎、さらに環境あるいは生体分野への応用事例のお話を基に、環境保全やバイオ分野への応用が期待できることについてご講演いただきました。


合同講演会講演03

緻密酸化膜コーティングによる生体用Ti合金の審美性向上

兵県大ナノ・マイクロ構造科学研究センター 准教授 三浦 永理

 延性・展性・強度に優れる Ti合金は、生体硬組織代替デバイスの素材として優れているが、例えば人工歯などの人目に付く部分での使用においては、その審美性も重要になることが述べられました。そこで本研究では、生体用Ti合金の審美性改善と生体適合性の向上を目的とし、緻密で高い明度を持つ酸化被膜による Ti合金への表面被覆を試みた結果、エポキシ系接着剤を凌駕する耐剥離性と審美性の高い(つまり、より生体歯冠色に近い)被覆が可能になった成果をご紹介いただきました。


【第2部】東北大学金研関西センター「ものづくり基礎講座 第36回技術セミナー」

司会:東北大金研関西センター 助教 佐藤 充孝

開催挨拶01

ものづくり基礎講座開催挨拶

東北大金研関西センター長 教授 正橋 直哉

 ものづくり基礎講座開催にあたって、正橋教授より開催の挨拶がありました。お話の中では、今回のセミナーは若手が主催したものであり、有望な若手研究者に機会を与えるためであることの説明がありました。


基礎講座01

身体に優しいセラミックス

東北大金研関西センター 助教 佐藤 充孝

 講演では、我々の骨などの硬組織を構成する重要な無機成分であるハイドロキシアパタイトやその他のリン酸カルシウム系セラミックス材料が有する機能に関してわかりやすくご説明いただきました。さらに、金属・セラミックス・ガラスをはじめとする各種生体関連材料の研究動向およびそれらの応用例をご紹介いただきました。


基礎講座02

高配向化骨を促進する人工股関節の最適設計

ナカシマメディカル(株) 野山 義裕

 本講演では、運動器疾患の機能回復に適用される人工関節インプラントについて、材料工学的立場からインプラント周囲の骨微細構造に注目し、骨-インプラント間の界面に及ぼす骨の力学的特性について評価した結果をご紹介いただきました。講演中、周囲骨が能動的に伝導するための表面形態制御技術として、配向溝構造を提案し、短期から長期の安定した骨結合性と維持が期待できるインプラントの創製を行い、その実例をご紹介いただきました。


基礎講座03

リン酸カルシウムセラミックスによる表面改質

京セラメディカル(株) 野田 岩男

 はじめに、京セラメディカル(株)の会社概要のご紹介がありました。次いで、現在、整形外科および歯科分野で広く使用されているリン酸カルシウムセラミックスを使用した表面改質と溶射法によるハイドロキシアパタイト(HA)コーティングについてご説明がありました。また、現在、京セラメディカル(株)にて行われている HAコーティングの技術概要と、新規に開発した次世代型抗菌性 HAコーティング技術についてご紹介いただきました。


【閉会挨拶】
閉会挨拶01

東北大金研関西センター 教授 早乙女 康典
(ナノ・マイクロ構造科学研究センター研究センター副センター長)

 合同講演会、ものづくり基礎講座の閉会にあたり、早乙女教授より閉会の挨拶並びにご参加いただいた皆様へのお礼が述べられました。また、東北大金研関西センターの大阪オフィス、兵庫オフィス、MOBIO、パンフレットと兵庫県立大学ナノ・マイクロ構造科学研究センターのパンフレットについてご紹介ありました。

あとがき

 合同講演会と技術セミナーの開催当日は、天候にも恵まれ、多くの方々にご参加いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。今回の技術セミナーは、「身体との調和を図るものづくり」ということで、機械材料や電子材料に関する内容が多かったこれまでセミナーとはまた違った印象を持たれたのではないでしょうか。またそれと同時に、各研究センターが、機械、電子工学の分野から医用工学の分野までをカバーする幅広い研究に取り組んでいることを感じていただけたのではないでしょうか。本講演会と本技術セミナーを通して、我々のアクティビティを学内外に発信できたとのではないかと感じております。今後とも、皆様のご支援とご鞭撻を賜れますよう、よろしくお願い申しあげます。
 閉会後、JR神戸線鷹取駅前の居酒屋において親睦会が催されました。こちらも、多くの方にご参加いただきまして誠にありがとうございました。
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