MEMSデバイスの作製について紹介します.
すべての学生が卒業研究でこのプロセスを行うわけではありませんが,基礎となる重要な作業です.
MEMSデバイスは、前工程にて「成膜」から「エッチング」までの工程を繰り返すことで複雑な構造を形成し、後工程によって実際に使用する形へと実装します。
成膜は、ウエハ表面に絶縁膜や圧電薄膜、金属薄膜等、任意の膜層を形成する工程です。
フォトリソグラフィは、光を用いて基板上に非常に精密なパターンを描画する工程です。成膜工程で形成された薄膜状に「フォトレジスト」と呼ばれる感光性樹脂を塗布し、紫外線を用いて必要なパターンを描画することで、フォトレジストを任意の形に形成します。次のエッチング工程ではこのフォトレジストがマスク材として機能します。
エッチングは、ウエハ上の不要部分を除去していく工程です。その手法は様々あり、薬液に漬けて溶かす「ウェットエッチング」や、ガスやプラズマで物理的・化学的に削る「ドライエッチング」などがあり、作製するパターンに応じて適切に使い分けます。前のフォトリソグラフィによって形成したフォトレジストの下の部分はエッチングされずに残り、フォトレジストのない部分はエッチングされる為、狙った形状に加工することができます。
後工程は、前工程で形成したパターンを1つ1つのチップとして切り出す「ダイシング」や、各種パッケージに封入する「パッケージング」等によって、実際に使用する形へと実装する工程になります。 本研究室ではこれらの工程すべてを自分の手でできる環境が整っており、自由に使える日本でも数少ない研究室です。ものづくりが好きな学生にはぴったりな研究室ですので、ぜひお越しください。