外部研究機関との連携
東北大学金属材料研究所 産学官広域連携センター 兵庫オフィス(仮)
金属材料研究所は、兵庫県立大学工学研究科との学術連携を提携し、兵庫オフィスを設置しております。当オフィスでは、社会ニーズである低炭素社会の早期実現のために、産業界の抱える技術課題の解決と、大学シーズの活用による新材料やプロセス技術の創出を使命としており、迅速かつ的確な産業支援を目指しています。また、技術者育成も掲げて活動を行なっており、ものづくり企業の技術者を対象とした技術セミナー等の開催は勿論、将来技術者として活躍する兵庫県立大学工学研究科学生への教育活動にも参加しています。

兵庫県立工業技術センター(ナノ・マイクロ東地区研究センターの設置)
2012年10月にオープンした兵庫県立工業技術センター新研究棟(技術交流館)の2階に、ナノ・マイクロ構造科学研究センターの神戸地区の活動拠点として、東地区研究センター(サテライト実験室)を設置しました。本実験室には、新材料開発に必要な各種の合金作製装置や精密成形加工装置を整備しており、兵庫県立工業技術センターが持つ高い材料分析・評価技術と合わせて、神戸地区を中心とする産学官連携活動の推進を目指します。実験室は以下の3室から構成されています。
1)プロジェクト研究室T(材料加工室、2F、約38m2)
広視野実体顕微鏡、金属顕微鏡を設置するとともに、共同研究等の打合せが可能なレイアウトとしています。試作品を観察しながらの打合せ等に有用です。
2)プロジェクト研究室U(材料創製室、2F、約38m2)
アモルファス合金の作製も可能な、単ロール型液体金属急冷装置、アーク溶解炉および溶融加圧鋳造装置、傾角鋳造装置を設置しており、種々の金属材料の試作が可能な設備を有しています。
3)プロジェクト研究室V(材料準備室、2F、約30m2)
ドラフトチャンバー等が設置され、金属試料の作製に必要な化学洗浄処理や機械研磨処理等の試料作製準備室として使用します。また、ガスクロマトグラフも設置し、触媒等の反応の測定も可能にしています。


高度産業科学技術研究所 LIGAプロセス研究開発センター
2012年4月に、本学高度産業科学技術研究所内に「LIGAプロセス研究開発センター」が設立されました。センター長は同研究所の内海裕一教授で、放射光施設ニュースバルのビームラインBL02を用いて、LIGAプロセス開発とその実用化研究を推進されています。ナノ・マイクロ構造科学研究センターにおいては、超微細加工に最適な新材料開発を主な目的としていることから、超微細加工プロセス(LIGAプロセス)研究開発グループとの連携は極めて重要であり、今後の連携活動の強化を進めます。


ドイツ・カールスルーエ工科大学 (Karlsruhe Institute of Technology)
カールスルーエ工科大学は、約8,000名の教職員と約18,000名の学生を擁するドイツ有数の大学で、2009年にはドイツのトップ3エリート大学に選ばれています。LIGAプロセス注1)と呼ばれる超微細加工技術の発祥の地として知られ、下記の蟻とマイクロギアの写真は特に有名で、現在もこの分野で世界をリードしています。本学とは、2002年より、放射光技術、マイクロ加工技術、材料開発の3分野において教育研究交流協定を締結してきました。現在、双方の大学にサテライト研究室が設置され、教員・学生による教育・研究交流が続けられています。ナノ・マイクロ構造科学研究センターの設置に伴い、超微細構造を有する高強度・高耐久性金属金型の開発分野で本格的な共同研究を開始しています。
注1) LIGAプロセス: 1970年代の後半にカールスルーエ研究センター(現カールスルーエ工科大学)において開発された金属マイクロ成形技術。ドイツ語のLithographie, Galvanoformung und Abformung の頭文字をとって命名された。「光リソグラフィー、電解金属析出、金型成形を組み合わせた微細成形技術」で、高アスペクト比を有する高精度マイクロ金属構造体の作製が可能。

