研究テーマ
研究概要
熱化学研究グループでは熱力学を化学平衡や化学反応の分野に応用した化学熱力学に関連する研究を行っています。特に、物質とエネルギーの関係を理解し利用することを根幹に置いています。
基礎的な研究として、酸化物や合金の標準生成ギブズエネルギーを含めた熱力学諸量を決定する研究を行っています。主に二つの方法を用いています。一つは極低温から高温に至る物質の熱容量測定をもとにした熱量計法です。もう一つは、固体電解質を用いた起電力法です。固体電解質を用いて酸素濃淡電池を作製し、その起電力を測定することで、目的物質の標準生成ギブズエネルギーを決定します。また、これらの結果に基づいた化学平衡図の作製も行っています。
一方で、溶融塩やアルコール類などの非水溶媒を用いる機能性材料の電解作製に関する研究を行っています。最近では、熱電変換材料薄膜の電解作製を行っています。また、脱合金法を用いた多孔質触媒材料の作製やこれにMOFsを修飾することで触媒活性を向上させる研究や、水素社会実現に向けた水素生成に関する研究として水の電気分解や水素生成触媒の研究を行っています。
当研究室の主な研究
令和6年度の研究テーマ
- 修士論文
- 固体電解質を用いた起電力法によるMn2BおよびMnBの標準生成ギブズエネルギーの決定
- 極低温からの熱容量測定に基づくBi2Te3の熱力学諸量の決定
- エチレングリコール-ZnCl2-SbCl3非水溶液におけるZn-Sb系熱電変換材料の電解作製
- エチレングリコール-SbCl3-TeCl4非水溶液におけるSb-Te系熱電変換材料の電解作製
- タングステン炭化物焼結合金を用いた水の電気分解による水素生成
- 卒業論文
- エチレングリコール-SbCl3-TeCl4非水溶液を用いたSb-Te系熱電変換材料の定電位電解作製
- エチレングリコール-BiCl3-SbCl3非水溶液を用いたBi-Sb系熱電変換材料の電解作製
- Co-Fe合金をドープしたタングステン炭化物の水素生成触媒活性
- WC-Ni焼結合金の水電解カソード電極への応用